皆さんは、借金(ローン)という言葉を聞いた時に、どのような印象を持つでしょうか?借金は絶対ダメという人もいるでしょう。今回は、良い借金と悪い借金について考えてみましょう。
身の回りの借金(ローン)は、ほとんど全て悪い借金
結論から言うと、一般的な勤め人が関わりをもつ借金(ローン)は、ほとんどすべて悪い借金です。
マイホームローン
マイカーローン
クレジットカードのリボ払い
時々、マイホームは資産だから、マイホームローンは借金ではないと信じている人を見かけますが、大間違いです。マイホームローンは立派な借金です。借金(ローン)というのは、借りたお金に対して、金利を上乗せして返済する行為です。つまり、お金を借りたら、必ず借りた金額より高い金額を返済する必要があるのです。この上乗せされた金利がお金を貸した人にとっては儲けになります。
誰かが儲けるときには、誰かが損をするというのがゼロサムゲームのルールです。そうであるなら、金貸しの立場になって、いかにして儲けるか?を考えてみましょう。金貸しが儲かる場合は、金を借りる方は損をしているので、悪い借金と理解しやすいと思います。
誰にお金を貸せば儲かるか?
まず最初に、お金を借りてくれる人を探しましょう。ラーメン屋を開店するから、お金を貸してほしいと頼まれたとしてお金を貸しますか?お金をきちんと回収できるかどうかについて、その人のビジネスモデルを詳しく検証する必要がありますね。これは結構、面倒なことです(だから銀行も自営業者にお金を貸しません)。
誰にお金を貸せば儲かるか?というと、「お金を確実に返済してくれる人」かつ「マネーリテラシーがなく、金利の計算ができず、高利でどんどんお金を借りてくれる人」がいいですね。お金を借りる時は、「自分が買い物をする時に、手持ちの現金では購入ができない場合」がほとんどです。つまり、できるだけ高額な買い物をしようとしている人で、手持ちの現金がない人がターゲットです。マイホームが欲しい(けれども現金はない)人であり、車が欲しい(けれども現金はない)人が良いターゲットですね。そして、簡単に自己破産してしまうような人にはお金は貸せません。簡単に自己破産せずに、自分の生活をすり減らしてでも、借金をコツコツ返済してくれる人というのは、社会的な地位が高くプライドも高い人、公務員などが該当するでしょう。
欲しいものが我慢できない人というのも、良いターゲットです。普通、ビジネスを経営している人であれば、設備投資にどれくらいのお金をかけて、借金の金利をどれくらいの期間返済して、収益がどれくらい見込めるか?というシュミレーションを重ねて、勝てる見込みがあるときだけお金をかります。しかし、欲しいものはなんとしてでも手に入れたいという人は、正直、借金の金利なんてどうでも良い、なんとかなるさと考えています。ですから、「○○さんの安定した給料であれば、毎月の返済額○万円、ボーナスで○万円、返済期間35年で、こんなにすばらしいマイホームが手に入りますよ。」というセールストークでいちころです。金利の合計金額、返済が滞った場合にどうなるか?などは契約書に書かれていますが、説明しても馬の耳に念仏でしょう。
まとめると、私達のような医師というのは、社会的な地位が高く、安定した給料があるけれども、(一般的には)マネーリテラシーが低く、プライドが高く、欲しいものを我慢できないという全てを満たした超優良な金貸しのターゲットなのです。
欲しいものを借金をして買ってはいけない
借金(ローン)というのは、未来の自分に借金を背負わせることで、今欲しいものを買うという契約です。
借金が有効に機能するシチュエーションというのは、ただひとつ。それは、お金のリバレッジを効かせて、自分のビジネスを拡大するときだけです。すでに儲けがでているビジネスモデルを拡大する際に、低金利でお金を借りて、そのビジネスモデルにガソリンとして注ぎ込むと、儲けのでているビジネスモデルが、テコ(リバレッジ)の力でさらに拡大します。そうすると、借金の金利以上に、お金が儲かるようになります。これが良い借金の仕組みです。
欲しいものを買うという行為において、ポケットにお金は1円も入ってきません。マイホームを購入しても、外車を購入しても、地位財(贅沢品)を購入しても、ポケットには1円も入りません。つまり、自分が欲しいものというのは、例外なく負債ですから、その負債を購入するために借金をしていたのでは、話にならないということです。