ニュータイプの時代 山口周著
20世紀的優秀さの終焉(オールドタイプ)
このようなオールドタイプに対置される、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材をニュータイプとして紹介。
現代の流れ
モノが過剰になり、問題が希少になっている。解決策が過剰になり、正解がコモディティ化している。
メガトレンド1
飽和するモノと枯渇する意味
特にこれから先、多くの組織において中核をなすことになるミレニアル世代の人々は、「意味」の有無に対して極めてシビアな評価視点を持っている。いつの時代にあっても、その時代の「若者」というのは、常に「その時代に足りないもの」について、ハングリーだ。モノが過剰に溢れる一方で、意味が枯渇している社会にあって、若者が「モノ」に対してハングリーになれないのは当たり前。
スティーブ・ジョブズはアップルのミッションを尋ねられた際に「人間の知性にとっての自転車をつくる」と答えている。LCC(格安航空券)のピーチは、戦争のない社会の実現を目標としている(世界中の若者達が自由に世界中を行き交うようになれば、世界中に友達ができて戦争がなくなる)。このような意味を見いだせるか?が非常に重要。
役に立つモノというのは、勝者総取りのレッドオーシャン化する。逆に意味がある市場では、意味をコーピーすることはできず、多様化がすすむ。「役に立つ」で戦うとほぼ全員負ける。ランボルギーニ、フェラーリ、ハーレーなどは、意味を与えるもの。
メガトレンド2
問題の希少化と正解のコモディティ化
これは、我々が真に解決すべき高い価値のある課題をいかにして発見し、それを解決すべきかを論じた「issueから始めよ」にも通じます。
減少するMBA志願者。数値化されたデータから、サイエンスベースで課題の解決策を出すアプローチでは、差別化の喪失を招き、到達する解決策が他者と似通ったものになり、レッドオーシャン化しやすい。論理では答えは導き出せたとしても、意味を作ることができない。
STEM教育を受けることで、給料の期待値を上げることは可能。でも、今後企業経営者のように、「データを分析して答えがでるもの」以外の問題を扱うようになると、リベラルアーツ(一般教養)、美意識が重要になる。論理的な答えではなく、直感に基づく答え。
20世紀までは、問題が山積みで解決策が希少であった。だから解決策に高い価値があった。
しかし、これから先は問題が希少化して、問題の発見が大きな価値を持つようになる。
メガトレンド3
クソ仕事の蔓延
「モノの過剰化 」と 「問題の希少化 」というメガトレンドの掛け合わせはまた 、人類がかつて経験したことのない未曾有の状況を生み出すことになります 。それは 「意味のない仕事 =クソ仕事の蔓延 」という事態です 。私達の多くは実質的な価値や意味を生み出すことのない「クソ仕事」に携わっている。1日3時間労働が実現すると 、余暇に耐えられない多くの人々によって 、余った時間を埋め合わせるための「実りのない仕事」が生み出され、そして多くの人は、それらの仕事のあまりの「実りのなさ」に耐えられず精神を病んでしまう。
メガトレンド4
社会のVUCA化
Volatile (不安定)、Uncertain(不確実)、Complex(複雑)、Ambiguous(曖昧)な社会
経験の無価値化、予測の無価値化、最適化の無価値化
メガトレンド5
スケールメリットの消失
メガトレンド6
寿命の伸長と事業の短命化