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創造性と暇の関係について
年とともに創造性が失われてきたと感じている人も多いと思います。創造性を発揮するためには「オン」と「オフ」の両方が必要です。今回は、特にオフの必要性についてお話しします。
仕事が忙しいと創造性は発揮されにくい
仕事が忙しく、忙殺された状態であると、創造性は発揮されにくい。それは皆さんも認識されているところだと思います。
理想を言えば、オンの後にオンと同じくらいの期間オフが必要となります。オフとは「暇」という風に言い換えることもできます。自分のライフスタイルの中に戦略的に暇な時間を作ることが創造性を発揮するために重要なのです。「戦略的に」暇な時間を作るというところがポイントです。1日の中でも、仕事に集中する時間と、脳を休ませる戦略的オフをとりこむ。年単位でも、長期の休みを事前にスケジュールに確保しておくなど。
暇は仕事の対極という認識の間違い
ハードワーカーに多いのが、仕事のアウトプットを追求するあまり、暇な時間というのは仕事をしていない時間、つまり「暇は仕事の対極にある」という認識を持っている人です。そうなると、暇な時間を削り、極限までスケジュールを仕事で埋めることになります。
しかし実際には、オンで吸収された膨大な情報を、脳はオフの時間に処理します。オフの時間に整理したり、統合したりするのです。つまり、オンの時間だけでは創造性を発揮することは難しく、オフの時間に脳内で様々な情報を整理する時間が必要です。これが、創造性を発揮するために戦略的なオフの時間が必要とされる理由です。
オフの時間を奪い合うモンスターたち
近年、仕事の息抜きとして暇な時間にスマホでネットサーフィンしたり、SNSの情報を眺めていたりする時間が問題となっています。
SNSには最近ショート動画が投稿されることが多いですが、これらは視聴者の脳の報酬系を刺激する仕組みになっているため、一度見始めるとなかなか離脱することができなくなります。気づくと1時間以上経っていることもあるでしょう。スマホを能動的に眺めている時間が長くなるということは、戦略的なオフを確保することの大きな弊害になるのです。
戦略的オフの時間におすすめの習慣
では、どんな時間が戦略的なオフに適しているのでしょうか。
散歩、お風呂にゆっくり浸かる、料理など、体で軽い動作をしながら、自分がストレスを感じない単純作業をしている時間がおすすめです。
以前、洗車が趣味という人の情報を見たことがありますが、最初その意味が分かりませんでした。しかし、洗車にストレスを感じない人というのは、車がきれいになる過程を眺めながら黙々と単純作業を続けている時間が、戦略的オフの時間に該当することを、体感として理解しているのかもしれません。
オンがあることも重要
365日毎日オフというのは、創造性を発揮するためにはプラスとは言えません。やはりオフが重要な意味を持つのは、オンと組み合わされた場合です。
そういう意味では、仕事をする、社会との接点を持つということも創造性を発揮するためには必要です。オンとオフは両輪として機能するのです。
