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HubSpot CEOが語るAIのビジネス活用

Contents

このコンテンツでは、HubSpotのCEOが、AIがマーケティング、セールス、カスタマーサービスなどのビジネス分野に与える影響について詳しく説明しています。以下に主な内容をまとめます。

目次

HubSpotの概要

HubSpotは時価総額300億ドルの企業で、約19年間事業を続けています。元々はマーケティングオートメーション会社としてスタートしましたが、現在は顧客プラットフォームであり、中小企業の成長を支援することを使命としています。

同社は、リードの獲得、パイプラインの構築、取引の成立、顧客の満足度向上を、マーケティング、セールス、サポートのソフトウェアを通じて支援しています。

AI開発の現状(サンフランシスコ)

サンフランシスコはAI開発の中心地であり、OpenAIやAnthropicのようなAIスタートアップが設立されています。

AIの世界では、基盤モデル(LLM)の覇権争いが起こっており、誰が消費者とビジネスユーザーの両方の注目を集めるリーダーになるかを競っています。これは、1990年代のブラウザ戦争や、AndroidとAppleのモバイルOS戦争に似ていると説明されています。

LLMの上に「エージェンティック・ソフトウェア(Agentic Software)」という新しいソフトウェアモデルが登場しており、従来のソフトウェアがユーザーが作業を行うのを助けるものだったのに対し、エージェンティック・ソフトウェアは作業そのものを出力として提供する点が大きな変化です。

AIと雇用への影響

AIは人間の能力を「拡張(augment)」することで、仕事の質と量を向上させると考えられています。

顧客サポートのような有限な量の仕事がある機能では、AIによる効率化で必要な人員が減少する可能性があります(例:ティア1サポート)。

一方で、営業やエンジニアリングのような機能では、AIが生産性を向上させることで、人間がより多くの成果を出せるため、同等かそれ以上の人員が必要になる可能性があります。

エントリーレベルの仕事はAIによって減少する可能性がありますが、これにより人々はより早く次のレベルの仕事に進むことができると見ています。

HubSpot社内のAI活用事例

2023年以降、HubSpotは製品ロードマップのあらゆる部分にAIを組み込み、AIファーストのプラットフォームを構築しています。

カスタマーサポート

過去18か月で、ティア1サポートチケットの約50%をAIで解決できるようになり、サポート人員を増やさずに顧客基盤を拡大できています。これにより、一部のスタッフはより付加価値の高いプロアクティブなサポートに移行できました。

プロスペクティング(見込み客の開拓)

AIを使ってアカウントのリサーチ、パーソナライズされたメールの作成、会議の設定を行っています。直近数四半期で、AIを使って10,000〜12,000件の会議を設定しました。これは、BDR(ビジネス開発担当者)の機能をAIが補強する良い例です。

マーケティング

ウェブサイト訪問者やYouTube視聴者の意図をAIが分析し、よりパーソナライズされたアウトリーチを行うことで、マーケティングのコンバージョン率が80%から100%向上しました。

CEO自身も、日々の業務でChatGPT、Claude、Geminiなどの基盤モデルを深く活用しており、「vibe coding」も試しているとのことです。

AIが検索とSEOに与える影響

従来のGoogle検索は、「AI概要」が直接回答を提供することで変革しており、Google検索の60%以上がリンククリックにつながっていません

人々はGoogle検索からではなく、ChatGPTのようなLLMとの会話から情報探索を始めるようになっています。

これにより、従来の「検索エンジン最適化(SEO)」は通用しなくなりつつあり、代わりに「AI最適化」という新しい分野が生まれています。AI最適化は、キーワードではなく、顧客が抱く具体的な質問への回答を提供すること、そして複数の場所に回答を繰り返し表示し、LLMに発見されやすくすることに焦点を当てています。

マーケターは、検索だけでなく、YouTube、Instagram、TikTok、LinkedIn、コミュニティサイトなど、顧客がいる多様なチャネルにコンテンツ戦略を多様化する必要があります。

HubSpotのブログトラフィックが70%減少したという報告については、これは同社のマーケティング需要創出計画の約10%に過ぎず、数年前から予測されていたことであり、驚きではないと説明しています。

HubSpotは2021年から2022年にかけて、ポッドキャストやメールニュースレター(Hustle、Mindstream)、YouTube(月間2,000万ビュー)などを通じたチャネル多様化戦略を進めており、これが功を奏していると述べています。

AIがセールスとカスタマーサービスを変革

セールス

営業担当者が顧客と対面する時間が20〜30%しかないという課題に対し、AIがアカウントのリサーチ、メール作成、フォローアップ、デモ準備などの非営業活動を自動化し、顧客と対面する時間を増やせると期待されています。

AIは、通話やメール、会話の記録といった非構造化データから自動的に顧客情報を抽出し、CRMに登録できます。これにより、手動でのデータ入力作業が不要になり、CRMの利用体験が大きく変わります。

AIが会話履歴に基づいてフォローアップメールのドラフトを作成したり、成功事例を提案したりすることも可能です。

AIエージェント同士が取引を行う「エージェント・トゥ・エージェント」の世界については、CEOは非常に遠い未来だと考えており、セールスの本質である人間的なつながりをAIが強化する形(AI augmenting humans)が重要であると強調しています。

カスタマーサービス

カスタマーサポートはAIにとって「完璧なユースケース」であり、AIは知識ベース、過去のサポート履歴、ウェブサイト情報に基づいて顧客の質問に回答できます。

HubSpotでは、平均52%のティア1サポートチケットがAIによって解決されており、一部の顧客では80%の解決率を達成している例もあります。

より複雑な質問については、人間への引き継ぎが必要ですが、このプロセスも将来的にはよりスムーズになると見ています。

全ての顧客サービスをAIで行うというアプローチ(他社事例として質問で「CLA」と示唆されているもの)については、AIの可能性に感銘を受けつつも、技術のためだけに「オールイン」するのではなく、顧客に具体的な価値をもたらすユースケースに焦点を当て、バランスを取ることの重要性を指摘しています。特に中小企業にとっては、簡単に使えてすぐに価値が生まれるソリューションが求められていると考えています。

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