他人と比較優位になることで満足を得ることは、もちろん可能です。しかし、様々な問題をはらんでいることも事実です。今回は地位財をテーマにしたいと思います。
地位財とは?
地位財とは、周囲と比較することで満足を得られる財。具体的には、所得、財産、社会的地位、物的財(車、家)などが含まれます。同僚の医師が新車を購入したという話を聞き、自分も外車が欲しくなった。後輩がマイホームを購入したときき、自分もマイホームが欲しくて、我慢ができなくなったなど、非常に身近な話題といえます。
地位財を手に入れたときの幸福感は意外と長持ちしない
地位財の特徴として、「手に入れたときの幸福感が意外と長持ちしない」という点が挙げられます。以前から欲しかった、高級腕時計を購入したけれども、翌月にはまた別の腕時計が欲しくなったという経験は誰しも持っているのではないでしょうか。
また、商品の金額と幸福感の相関もあまりありません。1万円の時計と100万円の時計を購入した場合、幸福感に100倍の差があるとは言えませんね。
他人との比較に終わりはない
あの人と比べて、自分の社会的地位に満足がいかない。自分の購入した家より、後輩がさらに豪華な家を購入した。そのように他人との比較には終わりがありません。無意識のうちに参戦している不毛な競争的消費から脱出しないかぎり、私たちは誰一人幸せになれません。
競争的消費から脱出すると生活が楽になる
医師であれば、飲み会で全額おごるのが当然。医師であれば、高級車に乗らないとみすぼらしい。このような無意識の内に競争的消費を行ってしまう気持ちも非常に理解できます。でも、少し考え方をかえてみましょう。最近では、医師であってもユニクロの服を着ている人も増えました。豪華なマイホームを購入するのも良いですが、賃貸生活の方が移動の自由は保たれます。
自分が、地位財にお金を消費していないか?無意識の内に他人の目を気にして、無意味に高額な商品を購入していないか?と考えてみるのも良いのではないでしょうか。