医学部在籍中や研修医に時代に、「外科系に興味があるけど、自分はそれほど器用な方ではない。外科系に進んで大丈夫なのだろうか?」と悩むことがあると思います。今日はそのような方のために記事を書いてみます。
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基本的な手術手技の習得は、よほど不器用な人でなければ、大丈夫。
手術というのは、魚をさばく作業に似ています。もちろん最初は、うまくさばくことができませんが、包丁を入れる順番やコツがわかると、上手にさばけるようになりますよね。手術も、基本的な手技の反復練習を積み上げるとで、難易度の高い手術ができるようになります。基本的な手技というのは、魚をさばくのと似ていて、知識とコツと後は、経験数に依存します。
超えられない壁があることも事実
平均的な外科医になることは可能ですが、その道で、トップレベルの外科医になってやる!という野望があるのであれば、少し考える必要があります。その領域に到達するためには、センスが必要になってきます。世の中には、3回練習すればできる人と、30回練習してできるようになる人がいます。そういう意味では、平均的な外科医になることは努力でなんとかなりますが、超一流になるためには、才能も必要になってくると思います。
学会で有名な外科医が手術がうまいとは限らない
研修医のときは、「手術がうまい医師が、学会で有名」と思っている人が多いと思いますが、そうでもありません。というのが、学会で有名になるためには、自分の手術の内容を、発表したり、論文に書いたりして、周囲に伝える必要があります。しかし、市中病院にいる本当に手術が上手な先生は、学会発表にあまり興味がなかったりします。
学会で発表をたくさんしている大学病院の外科系医師達は、ある特定の専門領域のスペシャリストであることがほとんどです。幅広くどんな手術でも上手にするというよりは、非常に狭い領域にしぼって、手術症例数をかせいで、その道の有名外科医になっていることが多いです。
心臓血管外科医や脳神経外科医のように、手術症例が自分にまわってこない科もある。
心臓血管外科医や脳神経外科医は、症例数が少ない&それぞれの手術の難易度が非常に高いこともあり、重鎮の先生達がメスを持ち続けている限り、若手にメスを持つ機会がまわってこない可能性があります。下積み時代が長いわけです。
それに比べると、眼科、耳鼻科、泌尿器科、産婦人科、整形外科といった診療科であれば、比較的若い頃から執刀する機会に恵まれています。これらの診療科にすすむのであれば、そこそこ真面目に頑張れば、平均レベルの外科医になることは十分に可能です。さらに、有名になりたいのであれば、手術の技術をみがくというよりは、むしろ、大学病院などのアカデミックポジションで働き、学会発表や論文作成を通じて、外科系医師としての知名度をあげていくのが近道かもしれませんね。
まとめ
魚をさばくことができるのであれば、基礎的な手術を行うことはおそらく問題ないでしょう。ただし、超一流の外科系医師になるためには、それ相応のセンスが必要になります。学会で有名な外科医になるためには、技術だけでなく、学会発表や論文作成も重要になります。