研修医のうちに

研修医の時期に貯金すべきか?

研修医の時期にすべきこと

研修医の時期に、お金をケチってはいけないと思うことが一つあります。それは、自分の医師としてのスキルを伸ばすこと、自分の器(うつわ)を広げることに関して、お金をケチってはいけないということです。
医師の人生を考えてみると、医師としての人的資本(働いて稼ぐ力)が急成長する時期が、20代から30代にかけてです。医師としての人的資本は、ほとんどの医師にとって、生涯年収にもっとも大きく影響する重要な要素になります。ですから、研修医の時期に、目の前の10万円を貯蓄して、人的資本を極大化させるための経験を捨てるというのは、かなり大きな損失につながると思います。20代から30代にかけては、医師として稼ぐ力を増やすことについては、お金をケチってはいけません。医学書の購入、学会参加などは、お金をケチらずに、自分を成長させる糧だとおもって、どんどん自分に投資しましょう。医師としての人的資本は、やはり、若いうちに高めておくのが効率的です。若いうちに医業をないがしろにしておいて、後から取り戻すというのは、理屈では可能かもしれませんが、実際は難しいと思います。まずすべきは、医師としての人的資本を最大限伸ばしておくことでしょう。

自分の器を広げる

自分の器を広げるというのは、色々な意味を含みます。本を読むというのも重要な習慣です。それ以外にも、海外の学会に参加したり、留学することも自分の器を広げることに役立ちます。本を読んで知識を吸収すること、自分がしたこのない体験をして、自分の器を広げることは、人生の後半戦で非常に役に立ちます。20代、30代の時期には、体力、気力が充実しており、未知の体験に足を踏み込みやすいです。ですが、一般論からすると40代以降になると自分の器を広げるためのフットワークが次第に重くなりがちです。研修医のうちは、貯金を増やすよりも、自分の器を広げるための知識の吸収、色々な体験をすることにお金をつかうのが良いと思います。

研修医の時期に身につけておきたい給料天引きの習慣

研修医の時に、唯一みにつけておいてほしいお金の習慣があります。それは、給料天引きの習慣です。これは、非常に重要な習慣なので、ぜひ身につけてください。その後の資産形成に大きな影響を及ぼします。

給料天引きとは?
給料をもらったら、一定額を生活費としておろして、残りはすべて貯蓄する方法

たとえば、1ヶ月の生活費を30万円と設定したとします。給料が35万円支給されたら、30万円を毎月生活費として引き落として、残りのお金には手を付けないようにして全て貯蓄に回す習慣です。そうはいっても、車検代が必要になったり、結婚式にお金が必要になったりします。そのような不定期な出費に備えて、50万円ほどのお金をプールしておきます。給料天引きで、残ったお金は、できるだけ出金しにくい口座に強制的に移動させます。たとえば、キャッシュカードをつくっていない銀行口座に移動させてしまうのも良いでしょう。

もらったお金を全て使い果たしてしまう習慣と、一定の金額の中でやりくりして生活する習慣というのは、全く別物です。前者は、給料が増えたとしても、同じだけ出費が増えてしまいます。欲しいものは世の中にいくらでもありますからね。でも、後者の場合は、自分は生活費30万円で楽しい生活ができるというベースが、研修医の時期に身に着けば、その後もそれほど増やさずにすみます。仮に、生活費を40万円に増やしたとしても、毎月必ず一定の金額が貯蓄にまわります。貯蓄に回す額が重要なのではなく、給料の一部をかならず貯蓄に回す習慣が最重要なのです。

医師の資産形成に役立つ情報のまとめ※2019年1月3日に公開した記事ですが、一部の記事を削除(取り消し線を表示)して2019年1月07日に再度公開しました。 主な仕事と...