読書

最近読んだおすすめ本

博士
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最近読んだ本の中で面白かったものをご紹介

正義の教室

飲茶先生の本。飲茶先生の本はどれもオススメなのですが、この本も読み応えがあります。
冒頭で

消防士の父。一つの部屋には自分の娘がおり、もう一つの部屋には30人の子どもたちがいる。火の勢いが強く、どちらか一方の部屋にしかたどり着けない。消防士である父は、どちらの部屋に行くべきか?

そして、正義には3種類ある。というのが、この本の骨子になります。

3種類の正義。「平等、自由、宗教」
共産主義や社会主義は平等を絶対的な正しさとする国。
一方でそんな国を抑圧的だと批判して、自由を絶対的な正しさとする国もある。
その一方で、何らかの宗教、すなわち自分たちの国の伝統的な価値観を絶対的な正しさとする国もある。

意見が対立するときは、それぞれの人が、尊重しているのが平等なのか?自由なのか?宗教なのか?と考えてみると理解が早いですね。

21 lessons

サピエンス全史、ホモデウスの著者である、ユヴァル・ノア・ハラリ先生の著書

今回紹介する21 lessonsも読み応えのある本です。
要約するのはなかなか難しいのですが、

人間はアルゴリズムの奴隷になる

というのは、一番心に響きました。私達は、お店に行く道をgoogle mapにゆだね、婚活をマッチングアプリにゆだね、週末に見るべき映画をアマゾンプライムにゆだねるようになりました。
重要な意思決定を、アルゴリズムにゆだねるのが当たり前の生活。
今後、この傾向はますます強くなるでしょう。
アルゴリズムの奴隷となった人間とAIの関係について、「牧場にいる芋虫を我々は、意識しないし、危害を加えようとは思わない。AIの作り出すアルゴリズムにとっての人間も同じような主従関係になるのではないか?」というのは、面白い考察だと思いました。

GACKTの勝ち方

created by Rinker
NORTH VILLAGE

予想外に面白かったのがこの本
GACKTの人生哲学についての本です。発想の仕方がユニークで、読み応えがありました。
あっという間に読めますから、出張のお供にどうぞ。

身銭を切れ

ナシーム・ニコラス・タレブ先生の最新著書。反脆弱性という本も大好きですが、この本も面白かったです。タレブおじさんの本は、発想がユニークすぎて、日本語タイトルがいまいちなのがちょっと残念ではありますが。

道徳的価値観は、民意の進化によって形成されるわけではないと予想できる。むしろ、不寛容であるというただ一点の理由だけで、ほかの人々に道徳を押しつけるもっとも不寛容な人によって形成される。

武器になる哲学

ニュータイプの時代の著者である山口周先生の本。
哲学については、飲茶先生の本を読んで、興味を持つようになりましたが、山口周先生も別の切り口から哲学者を分析していて、読み応えがあります。

哲学というリベラルアーツを、仕事に活かす方法が紹介されています。
内容はとてつもなく濃いですが、読みやすいのでオススメ。

ニュータイプの時代は、面白すぎて、ラジオにもしています。興味のある方はこちらもどうぞ。

働き方2.0 VS 4.0

少し前に読んだ本。私の大好物である橘玲先生の本です。

日本の会社組織の特徴。海外では、専門家を積極的に社外からリクルートしますが、日本の企業では、フォワードやゴールキーパーが足りなくなったときに、なにも考えずに下部組織から二番手を「昇進」させるような〝家族主義的〟なチーム構成。これではプロの世界で勝ちつづけるのは難しいでしょう。

日本の企業において、女性より男性の方が出世するというのは間違い。出世に一番関係するのは「就業時間」です。そんなバカな! と思うかもしれませんが、就業時間を揃えると大卒女性は男性社員と同じように昇進しているのです。驚くべきことに、日本の会社は残業時間で社員の昇進を決めているのです。

サービス残業」というのは対価を受け取らずに働くことで、グローバルスタンダードでは「奴隷労働」以外のなにものでもありません。労働者は賃金を対価に労働を提供しているのですから、5割程度の割増賃金を払わなければ誰も残業しようとしません。これでは赤字になってしまうため、アメリカや中国の会社は勤務時間が終わり次第社員を退社させます。

どれほどギブしても減らないものなどあるのでしょうか? じつは、そんな特別なものがこの世に2つだけあります。それが「知識」と「人脈」です。「ギバー」は、自分が持っている知識や人脈を惜しげもなくいろんなひとたちと共有するのです。