大学病院

大学病院に勤務する医師のお金と時間

大学病院に勤務する医師の給料、時間、資産形成の意識などについてご紹介したいと思います。一般的な話であり、もちろん個々の属性、病院毎の勤務体系により事情は異なりますので、その点はご容赦願います。

大学病院から給料をもらえるのは、医員、助教、講師、准教授、教授

もちろん、大学病院で初期研修を行う研修医も給料はもらっています。医員は、大学によっては、パートタイムの給料体系(一部では、コンビニのアルバイトより時給が少ないと言われることもあります)であることが多いでしょう。扱いも非正規雇用に近い形態です。大学院生(医師)などは、特定の肩書をあたえられずに、大学病院でタダ働きをしていることも多いです。

助教(昔の助手)以上の役職になると、毎月の給料、年に2回のボーナスが支給されます。ただし、教授は、大学病院から、助教の給料の5倍以上の給料をもらっているのか?と言われると答えはNOです。一般的には医学部の教授であっても、工学部の教授であっても、それほど大きな差はないと言われています。

大学病院に勤務する医師の給料を決定づけるのはアルバイトの回数

このように書いてしまうと、夢も希望もありませんが、現実だと思います。医師のアルバイト(外来や当直、外科系であれば手術)は、今のところは時間単価が非常に高いです。そのため、大学から正規にもらう給料の2〜3倍のお金をアルバイトで稼ぐ医師もいます。

ですが、大学病院によっては、院内の規定で、「1週間に○回以上のアルバイトは禁止」と指導されることもあります。1週間に1回しかアルバイトに行けない場合は、非常に薄給になると思いますし、そのようなルールが無く(あったとしても内緒で)1週間に3回、4回とアルバイトをすれば、2000万円以上稼ぐことも可能です。

大学病院で無休で働かされている大学院生においても、アルバイトの数が増えれば、それだけ多くの収入を得ることが可能です。時々、病院内で忙しく外来、手術、研究をしている助教の所得を遥かに超えた所得を手に入れている大学院生(アルバイトをしまくっている)も見かけます。

大学病院に勤務する医師の資産形成

大学病院に勤務する医師は、先程ご紹介したとおり、薄給の先生も多い一方で、意外と民間病院と同じくらいの所得(もちろんメインの収入はアルバイトです)を得ている人もいます。では、資産形成もうまく行っているのか?と聞かれると、資産形成の意識が少ない人がおおく、ほとんどの医師が経済的自由からは程遠い状況にあります。

その背景には様々な要因があり

研究や臨床、学会活動に忙しすぎて、資産運用まで気が回らない

学会出張、医学書の購入などの出費が多い

医局内の医師勧誘会、歓送迎会といった飲み会が多い

大きな組織の内部には、強い同調圧力があります。そのため、「自分は資産形成にしか興味が無いので、内輪の研究会、飲み会にも行きませんし、定時に帰宅します。でも手術や論文投稿は人の何倍もがんばりますし、適切なアウトプットは欠かしません」といった働き方は許容されません(いわゆるドクターX的なポジション)。医局員全員が、教授のビジョンをに従って行動することを求められるため、「教授が主宰するセミナーだから、出席しないといけない」、「教授が新しい研修医を勧誘するための飲み会をセッティングするよう指示してきた」という風になりがちです。そうなると、自分の意志とは関係なく、出費はかさんでしまいます。そして、何よりも大学病院に勤務する意志は、臨床、研究、教育といった仕事で忙しすぎるのだと思います。本来医師がしなくても良いような雑用をさせられているケースも多く、自分の時間が全く確保できないため、長期的な資産形成のビジョンを持つところまで気が回らないというのが実情だと思います。