留学

医師が留学先を見つける際に役立つコツ

海外に留学したい!と考えた時に一番難関となるのが「どこの国に留学するか?どのドクターに連絡をとるか?」という問題です。
今回は、医師が留学先を見つける際に役立つ○つのコツについてご紹介したいと思います。

留学先を見つけるための方法

教授に留学の許可をもらう

ここが一番のハードルだと思います。何の業績も無い、医局員を海外に派遣するというのは、医局にとって負担になります。その先生が留学中は、医局人事は、1名の医師が減るわけですから。留学の許可をもらうためには、英語の論文を量産するといった、目に見える業績があると良いでしょう。あとは、通常4年で卒業する大学院を、3年で論文を完成させて、ラスト1年を留学させてもらうといった方法も有効です。どちらにしても、教授を始めとした医局スタッフが、「あいつは、頑張っているから、留学にいってもいいんじゃない」という空気に染めることが重要です。

過去に先輩達が留学していた施設に留学する。

これは、王道ですね。一番スムースに事がすすみそうです。

この場合、留学希望の病院に勤務するキーパーソンA(ドクター)と面識のある医局の先生B(大抵は医局の教授、講師、先輩医師)に、まずは話を聞いてもらいます。その後、B先生からA先生にメールをしてもらい、自分のことをA先生に推薦してもらいます。その後で、自分からA先生にメールをするのが良いでしょう。

もし、留学希望先の病院に、現在日本から留学中の先生がいるのであれば、その先生にメールで連絡してみるのも、かなり有効だと思います。

全く面識のない、A先生に、自分からいきなりメールをしても、「誰だこいつ?」となって、メールはゴミ箱行でしょう。

自分で留学先を新規開拓する時のコツ

自分の医局に、留学先につながる人物がいない場合は、自分で新規開拓する必要があります。少しハードルが高くなりますが、意外となんとかなります。

海外の学会がチャンス!

これは、一つの例ですが、自分の留学希望先のキーパーソンCが参加する国際学会に自分も参加します。そして、まずすべきことは、そのキーパーソンの特別講演を聞きにいくことです。そして、ここはかなり勇気が必要ですが、その講演に対して、思い切って質問をします。さらに、講演が終わって、その先生がステージを降りてきたタイミングを見計らって、もう一度質問をします。

ここで、終わらずに、懇親会(ディナー)にも参加して、その先生を見つけて、さらに話かけます。ここまですれば、流石に顔を覚えてもらえるでしょう(3回会話をしたことになります)。そして、正直に、「自分の地元の教授の許可がでたら、C先生の元に留学したい。」と伝えます。そうすると、相手はおそらく、「もちろんOKだよ!ぜひ連絡をください」と言うはずです(だいたい有名な外国人医師は、そのように言います)。

そこで、なんとかC先生の名刺をゲットします。そして、自分の名刺と交換します。その後が一番重要ですが、部屋に戻ったら、即座に、C先生にメールにお礼のメールをしておきましょう。ここまでの流れをまとめると、強引に3回話をする(流石に相手の印象に少し残る)、一番重要なことは実際に話しをしたという事実(面識のない文章だけの留学希望はたいてい実現しない)、そして、メールで1往復でも良いので、やり取りをしておくことです。メールは、相手の記憶があるうちに出さないと意味がありません。メールに自分の顔写真を添付しておいても良いかもしれませんね。

ここまでしたとしても、その先、C先生から連絡がこない、ということはザラにあります。しかし、ここで諦めてはいけません。今度は、自分の所属する医局の教授の元に、「自分の推薦文に教授のサインをいただけませんか?」と相談に行きます。もちろん、自分の推薦文は自分で書きます。海外の医師とやり取りする際に用いられる、手紙の雛形は、教授秘書さんがデータとしてもっていることがほとんどですから、その雛形を教授秘書からゲットしましょう。そして、その推薦文に教授のサインが貰えたら、その文章を添えて、再度e-mailを出します(ここは、もしかしたら、e-mailよりも、実際の手紙の方がよいかも)。そこまですれば、大抵は留学の許可が出る気がしますね。

まとめ

かなり強引な方法をご紹介しましたが、ツテのない人物に留学の希望を伝えるには、かなり勇気を持って行動するしかありません。でも、有名な先生も、自分が若手の頃は、同じように努力をして、キーパーソンと連絡をとった経験が一つや二つはあるはずですから、多少の強引さは許容してくれる気がします(そう信じるしかない)。

教科書のようにわかりやすい!初めての国際学会参加までに準備すべきこと