俺の屍を越えてゆけ(日記)

医師のキャリアについての雑感

従来の医師のキャリア

定年退職するまで小規模の公的病院に勤務し続ける
私立病院に就職して退職まで働く
勤務医を続けた後に30〜40代に開業する

従来のキャリアとして、9割近い人が上記の3つのどれかにすすむと思います。もちろん、教授になる、公的病院の病院長、副病院長になるまで出世し続けるというエリートコースがありますが、おそらく数%の細き道だと思います。
上記の3つのキャリアに共通していることがあります。

給料を得るための手段が、自分の労働力に100%依存している

これは、自分がサッカー選手だと考えるのがわかりやすいですね。勤務先が、公的病院であっても、私立病院であったとしても基本的には同じです。市場が求める価値を提供できるプレーヤー(医師)であること、そして、毎日そのニーズに応えるために現場に立ち続ける必要があります。
30代、40代の働き盛りの医師であれば、現場に立ち続けることに特に違和感は感じないと思います。しかし、その働き方を、50代、60代と続けていく必要があります。しかも、60歳で医師を引退することができる人がどれくらいいるでしょうか?そこから先は、医師として働かないのであれば、収入が途絶えてしまうため、わずかばかりの年金と、預貯金を切り崩して生活することになります。生活水準は大きくさげなければなりません。
開業医というのは、選手兼監督と考えると良いでしょう。こちらは、監督としてチームマネージメントを行う必要がありますが、自分が選手であることにはかわりありません。自分のクリニックを他の院長に任せて、多店舗展開することになれば、選手兼監督の仕事から、ゼネラルマネジャー(GM)の働き方に移行できます。

医師のセカンドキャリア

いつかは医師として、現場に立てなくなる日が来ると思います。それが、65歳なのか?それとも今の若い医師であれば、もっともっと早く医師を引退したいと考えるかもしれません。いずれにしても、医師として現場に立てなくなる、あるいは立たなくても生活できるようになるためのセカンドキャリアについては常に考えておくべきでしょう。
開業した場合は、先程記述したとおり、ゼネラルマネジャーになるというのが、労働者から卒業し、真の意味で経営者の立場になることだと思います。

副業(スモールビジネス)を持つことの意味

60歳まで、医師一筋で生きてきた人が、明日から自分のビジネスモデルで稼ぐというのは、到底不可能だと思います。FXや仮想通貨のような相場で稼ぐことも選択肢になるかもしれませんが、素人が相場で稼ごうとすると、プロ達にお金をすべてむしり取られてしまいます。
そうなると、勤め人をしながら、30代、40代から、少しずつ自分のビジネスを回す経験を積むべきだと思います。最初は、自分の時間を投入しても利益がほとんど上がらない時期、ビジネスを運営するために必要な設備を購入するために赤字になる時期を通過しなければなりません。そのような経験を蓄積するステージを5〜7年程度こなした後には、少しずつビジネスから収入を得ることができるようになります。ちなみに、このビジネスにアルバイトは含みません。アルバイトについても、医師の自分がプレーヤーとして働く、つまり労働力をお金に変えるビジネスモデルだからです。

スモールビジネスの良さ

スモールビジネスから収入が得られるようになると、自分の労働力(時間)を投入することなく、収入を得ることが可能になります。不動産を考えるとわかりやすいですね。毎月の家賃収入が得られるイメージです。これを、2つ、3つと増やしていくと、自分の労働力に依存する割合を減らすことが可能になります。例えば、安定した粗利(売上高から売上原価を引いたもの)が毎月20万円得られるようになると、医師の仕事を、1週間に4日にしても食っていけるな。となります。年をとるに従って、自分の労働力に依存する割合を減らし、自分のビジネスモデルで稼ぐ割合を増やしていくことができれば、次第に医師としての収入を副業にすることが可能になります。

自分の時間をいかにして確保するか?

医師として働いて、お金を稼ぐ生活の一番の問題点は、仕事が終わったらクタクタで、気力が全く残されないということです。医師を使う経営者の立場から考えると、勤務医はクタクタになるまで働かせた方が得です。仕事が終わった時に、乾電池のバッテリーがゼロになっているのが理想です。自宅で睡眠をとり、翌日バッテリーが満タンになっており、仕事が終わったらゼロになる。これを繰り替えすことが、経営者にとっては、一番ありがたい。逆に、労働者の立場で、これをやってしまうと、スモールビジネスを作る余裕は一切ありません。
合理的に考えるのであれば、仕事は仕事とわりきり、乾電池のバッテリーを温存した状態で家に帰り、自分の将来のために、スモールビジネスを構築していくべきだと思います。