読書

読書の醍醐味はいっけん矛盾する意見にであえること

読書について、「Aという本とBという本で言ってることが違う。だから読書は意味がない」という意見を聞くことがあります。私は、逆に、「いっけん矛盾した意見に見えるけれども、なぜなんだろう」興味を惹かれます。

先日、いまだ金時ラジオの中で、「エッセンシャル思考」という本を紹介しました。その本の中で、フランケンが「これは、クリック・モーメントにも通じる」という発言をしていました。

実は、エッセンシャル思考で書かれていることと、クリック・モーメント(正式には、成功は”ランダム”にやってくる!)には、一見すると矛盾していることが書かれています。

一見すると矛盾した提案

エッセンシャル思考
・世の中に、本日的なことはほとんどない。依頼された仕事にNoを言い、本当に本質的な仕事に集中すべき。

クリック・モーメント
・成功はランダムに生じる。そうであるなら、最初にすべきはたくさん行動してみること。

一方では、あれもこれもやろうとせずに、本質的なことだけにフォーカスするように。もう一方では、「多動力」とも近いような、クリックモーメント(成功のしっぽ)を掴むまでは、とにかく予想外の行動をとりいれてみよう。

もしも、エッセンシャル思考の発想が無かったら

人から依頼された仕事(予定)をしぶしぶ全て受け入れる。という人生を選択していたとします。そうすると、例えば学会出張の際にも「夜は毎日、同門と現地で飲み会」みたいな流れになる人も多いでしょう。
でも、エッセンシャル思考を取り入れていて、それらの飲み会の依頼をいくつか断り、自分がフリーに動ける予定をあえてスケジュールに入れておくことができたなら。学会会場で、たまたま意気投合した他大学の先生と、「せっかくですから、夜飲みにいきませんか?」という話になったときにも、「ぜひ行きましょう。予定は空いています」と即答できます。このような本人も全く意図していない偶発的なイベントをつかめるかどうかは、成功に直結することが多いです。

私の例

私自身のクリックモーメントをご紹介しましょう。私は、以前、アカデミックポジションで忙しかった時に、ちょうどエッセンシャル思考という本に出会いました。その頃、「googleの20%ルール」というアイディアを聞きました。googleの社員は、仕事中の20%の時間を、会社から言われた仕事以外の自分が重要と思うことに使っても良いというルールです。そこで、「1ヵ月に1回、○○という都市に目的なく旅をして現地で、あたらしいキャリアについて考えてみよう」と思いつきました(このあたりが、あとから考えてみると、実はクリックモーメントの掴み方のコツでした)。その旅の内容をブログに書いていたところ、「整形外科医のブログ主」から、たまたまブログにコメントをいただき、「今度一緒に飲みに行きましょう」という流れになりました。当時、私が歩んでいたキャリアと、整形外科医のブログ主のキャリアは、全く別の場所にありましたから、この出会いそのものがクリックモーメントの瞬間でした。
それ以降は、意気投合して、様々なセミナーを開催したり、オンラインサロンをいっしょに運営したりというふうに私にとって欠くことのできないビジネスパートナーになりました。
ここでは、エッセンシャル思考を元に行動や考え方を変えて、予想外の行動を日常生活の中に起こすことで、クリックモーメントを掴むことができたのです。

このような、本に書いてあることが一見して、矛盾しているようにみえても、本質的には同じこと(切り取り方が異なる)というのは読書の醍醐味だと思うのです。

次回、いまだ金時ラジオでクリック・モーメント(正式には、成功は”ランダム”にやってくる!)を取り上げます。
時間がある方は、ぜひご一読を!