読書

ファクトフルネス

ファクトフルネスとは

データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」を解説しよう。

世界で100万部の大ベストセラー! 40カ国で発行予定の話題作、待望の日本上陸

ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛!
「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」―ビル・ゲイツ
「思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本」―バラク・オバマ元アメリカ大統領

感想

医療関係者の方は、「反ワクチン」や「がん患者さんに対する根拠のない治療」に対して、なぜ知識人たちが全く根拠のない話を信じてしまうのか?と辟易とされていると思います。
でも、私達医師も、世界中で起こっている事実を正しく認識できているか?と言われると、かなり間違ったメガネをつけて世界を見ている。そのように著者は指摘しています。

世界は分断されているという思い込み
 高所得者と低所得者
 西欧諸国とそれ以外の国々
 先進国と途上国
私達がイメージしている世界というのは、すでに50年ほど前の世界であり、現在世界の分断はどんどん消失していっているという事実。

世界はどんどん悪くなっているという思い込み
極度の貧困にある人の割合は、過去20年で約半分になった。ニュースは、その性質上、人の不安をあおるものが多いが、世界は確実に良くなっている。世界の平均寿命、所得、生活様式、戦争による犠牲者、HIV感染、合法的な奴隷制度、乳幼児死亡率、死刑、児童労働、核兵器、大気汚染、飢餓、飛行機事故の死者数、災害による死者数、オゾン層の破壊などの指数において減少がみられる。

世界の人口はひたすら増え続けているという思い込み

危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
全死亡数の0.1%を占める自然災害、0.001%を占める飛行機事故、0.7%を占める殺人、0%を占める放射線被ばく、0.05%を占めるテロなど。どれも年間死亡者の1%にすら届かないにもかかわらず、メディアは大々的に取り上げる。「恐怖」と「危険」は全く違うのに、それを混同して、事実を正しく認識できなくなってしまう。

反ワクチンの人たちが、なぜ世界を歪めて認知してしまうのか?そして、その認知のゆがみは、私達医師の中にも、たくさんあり、現在の世界の現状を誤って認識していることが非常に多い。

本書では、世界中の人々が誤って理解していること、その背景などをわかりやすく解説してくれています。全く説教じみた内容ではなく、さわやかな論調で書かれていますから、ぜひ一読をオススメ。