俺の屍を越えてゆけ(日記)

次回のいまだ金時ラジオは錯覚資産です。

次回のいまだ金時ラジオのテーマが、錯覚資産に決まりました。
ということで、ふろむださんの著書を改めて読み直しています。

人間には様々な認知バイアスを生じる、脳のセキュリティホールがあります。
岩陰に左側から右側に向かって入った虎は、右側からでてくる可能性が非常に高いです。
でも、そこで「いや。まてよ。もしかしたら左側からでてくるかもしれない」
と考えるよりも、すばやく結論を出した方が虎から逃げ延びるための生存戦略としては正しい。
そのようにして、脳は、様々な情報をあわせて、重要度によって重み付けしてゆっくりと判断を下すことが苦手。

むしろ直感に従って、曖昧な情報をもとにして、自分の好きな結論を導き出す性質がある。


大きな組織で出世するためには、上司に好かれることが必須。
これは、「この人のことが好きだ」というポジティブな感情が、「だからこいつは仕事もできる」といった全く相関しない部分に関しても、その成果を底上げしてしまうせい。これをハロー効果と呼ぶ。自分の好きな人間は、仕事もできるし、人格者だ。というふうに脳が瞬時に判断してしまうため、このようなポジティブな感情は、錯覚資産となる。そして、この錯覚は、本人が気づかないところで、様々なバイアスをうみ、それはポジティブな評価を受けた人にとっては、非常に有利に働く。

そして、錯覚資産のもう一つの特徴が複利で運用できるということ。
もし、自分のことを好きな上司が「○○は仕事ができる(好きという感情のハロー効果)」と、発言することで、他の部署の部長や部下達にも良い影響が及ぶ。○○部長が評価する人物だから、実際仕事ができることに疑いはない。というふうにして、会ったことも話したこともない人物の評価が上がることはよく経験する。

そのようにして、錯覚資産は、露出を増やし、影響力を持つ人に伝わることで、複利のように増えていく。
この錯覚資産の複利運用こそが、「仕事ができる人」になるためには欠かせないのだ。

これを、実力だけで、錯覚資産の複利運用を全く使わずに成し遂げることは不可能。
仕事はできる。でも、17時に早々に仕事を切り上げげ帰宅する部下。上司が飲み会に誘っても、付き合ってくれない部下。
それらは、残念だけれども、上司の脳内では、「あいつの行動(早く帰宅する)は気に入らない。」という評価から、本人の自覚なしに「気に入らないのは、仕事の内容が悪いからだ。あいつの性格が悪いからだ」という風に、認知が無意識のうちに歪められてしまい、負の錯覚資産を形成してしまう。そうなると、実力をいくら発揮したとしても、仕事ができるという錯覚資産を手に入れることはできないのだ。