医師の働き方

Plan Bを手札に持つこと

勤め人を生きづらくさせていること

勤め人の辛さって何だろう?
僕は一番大きな理由として
「今の職場を追われたら、自分はお金を得る手段を失ってしまう」
という恐怖ではないかと思っている。

特に同族意識の強い職場だと、一見仲が良さそうに見えても
・みんなと同じ行動をしないと嫌われる
・期待される行動から外れた行動をしていると組織からはじきだされる
そういった、潜在的な恐怖から完全に自由な勤め人というのは少ないと思う。

ところが、ここに、
「僕は今の職場、仕事大好きです。あ、ちなみに亡くなった父から相続した不動産収入が毎月200万円あります。」
みたいな背景があったとしたらどうだろう。
ここは、皆さん、少し時間をかけて考えてほしい。

今の職場の苦労のほとんどはどうでも良くなるのではないだろうか?
職場を追われるかもしれない恐怖も感じなくなるだろうし、本当に理不尽な会社(職場)だったら、
「別の職場に移る」という選択肢になんの躊躇もないだろう。
ま、2〜3ヶ月のんびりしますか!という選択肢もとれるでしょう。

普段からPlan Bについて真剣に考えておく

もしも、自分の手札が、全て相手に把握されていたとしたら。。。
交渉は非常に難しくなります。
例えば、「2人目の子供ができたら、マイホームをローンを組んで買った。すると、マイホームが建つ前に転勤させられた」というお話。
周囲でも、聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
「うちの上層部は血も涙もない」と思うかもしれませんが、組織としたら当然の判断ですよ。
だって、その人は、自分から、「子供を養う必要があること」そして「マイホームのローンを払い続ける必要があること」
つまり、「何があっても、その職場をやめない(やめられない)」ことを人事権を持つ人に伝えてしまったのですから。

組織の中には、どうしても人を配属しないと行けないエリアがある。でも誰もそこに行きたがらない。

そんなとき。白羽の矢が立つとしたら。。。
その視点で組織を眺めたときに、上記の人は、転勤を断れるでしょうか?転勤の最有力候補になりますよね。
組織の人間も、できれば嫌がる人を説得したりするのは辛いし、正直面倒です。悪者になりたくない。
絶対断らない(断れない)人がいるのなら、その人に打診するのは当然のこと。
その人にはNOという手札がないことが、上層部にはバレているのです。

ところが、同じマイホームを買ったとしても
「あ、うちの爺さんが莫大な資産を持っていて、爺さんがひ孫のために家を建ててくれました」
だと、転勤の話は回ってこないでしょう。

視野を広げる

といっても、同じ職場で、同じような属性の人と、働いているとなかなかPlan Bを思いつくことはありません。
勤め人というのは、働き方におけるPlan Bを持つことが非常に難しい人種だという意識を普段から持っておく。
そして、職場の中にはいない、ちょっと変わった生き方をしている人たちと交流を持つようにしておく。
飲食店の人でもいいし、町内会の知り合いでもいい。
できれば、ちょっとしたスモールビジネスを始めてみれば、嫌でも視野、知り合いの輪は広がります。
勤務医を含めた勤め人というのは、普段、トイレットペーパーの芯を通して世界をみているくらい視野が狭くなりがちです。
そして、そのトイレットペーパーの芯の太さは、油断していると年々細くなり、最後はストローのようになってしまいます。
そこにしか世界が広がっていないように錯覚してしまう。
でも、
・女性医師の視野でみる
・開業医の視野でみる
・不動産大家さんの視野でみる
というふうに、普段自分が接している人から距離が離れれば離れるほど視野は広くなります。