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医師というサラリーマン債券
医師に限らず、「働いて稼ぐ力」といのは、債券と考えると理解しやすいですね。
キャッシュフローから見れば、サラリーマンは労働力を提供するかわりに、会社から定期的に給料という利払いを受け取り、定年時に退職金として元本が償還される債券を購入しているのと同じだ。 臆病者の株入門から引用
医師の働き方が債券的であるのなら、働き盛りの20〜40代医師の資産運用の軸は株式に投資することが基本となります。
そこから年齢を重ねるにつれて、株式投資だけでなく、「債券」の比率を上げてリスクをヘッジするのが良いでしょう。
全世界(もしくはアメリカ)株式に連動するインデックスファンドに投資する
働いて稼ぐ力が医師にとって資産形成のエンジンになります。我々は働いて日本円を稼ぐという性質上、資産形成のエンジンが、日本経済に大きく依存していることになります。
素人の資産形成の基本は、リスクの分散ですから、論理的に考えると、資産形成の基本は、日本経済と異なる場所、つまり全世界(もしくはアメリカ経済)の株式に投資することが合理的な判断になります。
世界株式に占める日本株式の割合が8%程度とするなら、金融資産の92%を外貨(ドル)で運用するのが理想的なポートフォリオになります。
世界的な株安は素人がインデックス投資を始めるのに最適のタイミング
現在、コロナウイルスがトリガーとなり、歴史的な世界同時株安が進行しています。個別株は、会社が倒産してしまうと紙切れになってしまうリスクがありますが、世界株式あるいはアメリカ株式に連動するインデックスファンドであるVTやVTIは理論上、価値がゼロになることは考えにくいです。
下がり続ける個別株を買うことをナンピン買いと呼び、投資の下策とされていますが、それは価値がゼロ(もしくは下がりきったまま上がることはない投資対象)を買うことが問題なのです。インデックスファンドであれば、そのようなリスクは少ないと考えられます。
バーゲンセールのような状態にあるVT、VTIを自分が妥当と思う時期に一括買いでも良いし、下落相場で威力を発揮しやすいドルコスト平均法(毎月一定の金額毎に買い足してリスクを分散する方法)で一定期間買い続けるのも良いでしょう。
iDeCoとNISAは最大限利用
国が事実上の私的年金制度として推奨しているiDeCoとNISA(つみたてNISA)は最大限活用しましょう。これは落ちているお金を拾うほど簡単な資産形成なので、使わないという選択肢はありえません。
マイホームをローンで購入しない
キャッシュでマイホームを購入できる方は、購入しても良いと思いますが、マイホームを長期ローンで購入すると資産形成のポートフォリオの大部分を、「日本の不動産」が占めることになります。特に地方都市でこれをやるのはかなり大きなリスクがあります。
マイホームの購入は、「借金(ローン)」というレバレッジを利用して、日本の不動産を購入することを意味します。しかも、マイホームは、「人に貸して利益を生む」ことを目的として設計されていません。売却して利益を生むかどうかもわかりません。
不動産の素人である医師が、人生で初めて購入するマイホームが、資産形成ポートフォリオの大部分を占めるというのは、なかなかリスクの高いものだと思います。
忙しい勤務医が現金を不動産に投入して、家賃収入を得たいのであれば、REITが良いでしょう。REITは、個人では買えないような、都心部のオフィスビルなどに分散投資することもできますし、家賃収入に相当する分配金を得ることも可能。
医師のキャリア革命というオンラインサロンでは、REITに関する情報も扱っています。
参考資料
1冊本を読むなら、橘玲さんの書かれた、「臆病者のための株入門」を読むのがおすすめ。
ずいぶん前にかかれた本ですが、理論的な正しさがベースにあるため、現在読んでも内容に大きな矛盾はありません。
整形外科のゆる医ブログ主である、ゆるい先生の書かれた下記のnoteは必読です。
上記に紹介した橘玲さんの投資方法と合わせて読むと理解がすすむと思います。