医師の転職

組織のピラミッド構造と医師の働き方

あざらし君
あざらし君
最近、同期で開業する医師が増えました
博士
博士
年齢が上がるに従ってポストが少なくなることは知っておこう

勤務医のポジションはピラミッド構造

医局人事に従って、働く勤務医の主要ポジションはピラミッド構造をしています。

主要ポジションに求められる人材というのは、年齢とともに変わります。若い頃であれば、救急対応や病棟の管理、中堅ポジションになると専門性の高い技術、定年が近づくと管理者としての働きかたです。

20代はほぼ全員に居場所がある

20代の医師には、ほぼ全員に居場所が用意されています。多少、働き方にムラがある人であっても、大きな急性期病院で働くことができると思います。医局や病院経営者が求める労働力の多くが、若くて、従順な医師なので、需給バランスがとれているためです。

専門医取得後は、専門性を持った医師が重宝される

専門医取得したあたりから、ポジションが次第に減ってきます。イス取りゲームのスタートです。といっても、まだまだポジションは多く、5〜8割り程度の医師が、いわゆるメインストリームのポジションで働くことができるでしょう。全ての医師が、自己評価としては、高い人的資本(専門性、学会でのポジションなどを含む)を持っていると自覚していると思いますから、ここまでのキャリアは概ね順調だと思います。このあたりまでは、医局や病院経営者が求める医師像と高い専門性を持った医師は概ねマッチングします。

40代後半から50代にかけて居場所がなくなる

40代後半になると、イス取り合戦はさらに難易度がアップします。高い専門性を持つ医師は、どんどん供給されて来ますから、同じ働き方をしているだけでは、ポジションは獲得できません。
Jリーグのサッカー選手に例えるのなら、それまでJ1リーグで活躍していた選手が30代になって、J2、J3リーグに働く場所を変えるのと同じ構造です。J1リーグの選手枠は定数があり、毎年どんどん若い選手が入ってくるのですから、同じ数の選手がそこから退場していくのは組織の宿命です。
今まで、高い専門性をもち、病院に奉仕し続けてきて、何の減点もないだろ!という医師たちが、ある日突然、地方都市の小さな公的病院に人事異動させられることになります。当事者にしてみたら、まさに寝耳に水ですが、組織の構成を考えると、ほとんどの勤務医がこのパターンに該当するはずです。ここから先も、ポジションはさらに減り続け、定年退職できるのは教授、病院長、副病院長クラスだけではないでしょうか。
ここから先は、地方都市の小さな病院に単身赴任して、それなりに楽しくやっていくスタイル、公的病院から私立病院に転勤するスタイル、開業するスタイルの大きくわけて3つの進路となるでしょう。