不動産投資

医師のポートフォリオに不動産(REIT)を加えるというアイディア

不動産の分散投資(REIT)

資産運用の基本が分散投資だということは、いまでは誰でも知っています。手元に2000万円の資金があり、その全額を使ってトヨタの株式を購入するのは個人の自由ですが、一般的には投資対象を分散させることが多いでしょう。

例えばVTの購入を考えてみましょう。VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETFのベンチマーク)は約8,000銘柄の大型、中型、小型株で構成されており、全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしているとされています。理論上は、手持ちの2000万円を、世界中に存在する8,000銘柄に分散投資したことになります。

2000万円の資金で、現物不動産を購入するというのは、投資対象を1つに絞った戦略になります。それに対して、REITというのは、不動産の分散投資を可能にした商品です。

REIT(リート)とは、投資者から集めた資金で不動産への投資を行い、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当する商品で、一般的に「不動産投資信託」とよばれています。投資者は、REITを通じて間接的に様々な不動産のオーナーになり、不動産のプロによる運用の成果を享受することができます

さらに
① 個人では購入が難しい、大型の不動産に間接的に投資が可能。個人の属性であれば、アパートやマンションの購入が限界だが、REITであれば、オフィス、ホテル、倉庫等の多様な物件に投資が可能。

② 流動性が高く換金が容易
取引所に上場されているREITは、上場株式と同様に取引所で売買でき、比較的流動性が高く、換金性に優れています。個人で所有する不動産は簡単に売り買いできるものではなく、換金性はREITに劣ります。

③物件に手をかける必要がない
空室対策や水漏れ、修繕など不動産物件に手をかける必要がありません。

上述のとおり、REITは、不動産現物所有とは異なる性質を持っています。不動産投資を生業として生きていく人にとっては、他人任せのREITに投資するよりも、自分で現物不動産を所有した方が良いと考える人もいるでしょう。しかし、医師のように、自分の専門性とは大きく異なる不動産という世界に投資するのであれば、REITという商品は購入を検討する価値のある商品だと思います。

資産を分散させる視点からREITを考える

資産運用の基本は分散投資です。卵を一つの籠に盛るなというフレーズがその特徴を言い表しています。日本円とドルに分散する。現金と株式(投資信託やETF)に分散する。資産を比較的安全に分散投資するために不動産を購入するというのも合理的です。しかし、現物不動産を医師が購入するとなると、空室対策や水漏れ、修繕とった煩わしさがあります。REITにはそのような手間がかからず、自分のポートフォリオの中に不動産を加えることができるのがポイントとなるでしょう。
ちなみに、マイホーム購入をしてしまうと、ポートフォリオのほぼ全てがマイホームという収益を生まない現物不動産が占めることになります。その場合は、ローンの早期返済が合理的な判断となるでしょう。


REITは換金性の良さで現物不動産を上回る

リーマンショックのようなブラック・スワンにより、全世界に金融危機が訪れたとします。そうなる信用不安が起こるため、現物不動産を適正な価格で売ることは難しいです。というのも、現物不動産の場合、買い手がいること、買い手と値段交渉がまとまること、銀行から融資がおりることなどが揃わないと売買が成立しないためです。

REITはインカムゲイン(分配金)を得ることが基本

株式(ETFや投資信託)というのは、基本的にはキャピタルゲインを狙います。それに対して、REITは分配金というインカムゲインを狙います。適正な価格で、購入したREITからは、定期的に分配金というお金が得られます。定期的にお金がチャリンチャリンと入ってくるイメージですね。これは、不動産大家さんが、毎月安定した家賃収入を得ているのと同じようなイメージをもつと良いでしょう(分配金は毎月入るわけではありませんが)。

まとめ

今回の知識は、医師のキャリア革命というオンラインサロンで開催された「REIT信用買で実践する不動産投資セミナー」に参加して得た知識です。オンラインサロン医師のキャリア革命では、このようなセミナーも定期開催しています。勤務医、開業医にとって普段聞けない内容のセミナーですから、興味がある方はぜひ参加してみてください。歯科医師さんも参加可能です。