経済的自由・独立

医師が経済的自由・独立を獲得するために必要なこと

経済的自由・独立の定義

ここは、橘玲さんの著書でかかれている定義が最もわかりやすいので、引用させていただきます。

幸福の「資本」論から引用
自由とは誰にも、何ものにも隷属(れいぞく)しない状態のことで、そのためには一定の条件を満たさなければなりません。この条件とは、端的にいえば”お金”です。「自由」を経済的な意味で定義するならば、「国家にも、会社にも、家族にも依存せず、自由に生きるのにじゅうぶんな資産を持つこと」になります。これが経済的独立(Financial Independence)です。
・職場をクビになったら生活できない
・年金支給額が減ったら生活できない
・夫と離婚したら生活ができない
これらは、いずれの例においても、制度や仕組み、人にお金を依存している状態であり、経済的独立とは言えません。

昔は金融資産1億円が経済的自由のマイルストーンだった

一昔前であれば、金融資産1億円が経済的自由のマイルストーンとされていました。なぜ1億円かというと、1億円の金融資産を、毎年最低5%でコンスタントに運用すれば500万円の運用益が得られ、これだけあれば1億円の金融資産に手を付けなくても、最低限の生活が可能になるというロジックです。昔であれば、毎年500万円の収入があれば、アジアの発展途上国でリタイア生活を満喫することが可能でした。1億円の金融資産から生み出される運用益だけで生活できるのであれば、1億円は減りませんから、何年でも生活が持続できるわけです。
過去には、日本でも定期預金の利息が5%を超えている時代がありました。そうであれば、1億円の金融資産でハッピーリタイアという夢は実現性をおびてきます。しかし、結論からいうと、現代では、1億円でハッピーリタイアというのは現実的ではなくなりました。その最大の理由として、1億円を運用して、毎年コンスタントに5%の運用益を得ることが容易なことではなくなってしまったからです。たまたま運用益が7〜8%になることはありますが、毎年5%以上の運用益を出し続けることは至難の技です。

人的資本(働いて稼ぐ力)を最大化する

医師にとって、もっとも重要な「富の源泉」は、人的資本、すなわち働いてお金を稼ぐ力です。60歳を過ぎても、精力的に働くことができれば、経済的自由にかなり近づくことが可能になります。生涯現役で働くことができれば、老後問題を心配する必要はありません。若いうちにすべきことは、この人的資本を最大化させること、そして、節約・節税により資産を増やす習慣を身につけることです。

経済的自由を手に入れるために必要なこと

若いうちに人的資本(働いて稼ぐ力)を最大化する。そして、節約・節税により資産を増やす習慣を身につける。

いくら働いて稼いでも、資産価値の低いマイホームを長期ローンで購入したり、数年ごとに新車を乗り換えるような浪費癖があると経済的自由からは遠のいてしまいます。エンジンに穴が空いていたら、いくらガソリンを注いでも、燃費は向上しません。まずはエンジンの穴を塞ぎ(浪費を防ぎ、節約節税の知識を身につけ実践する)、人的資本を最大化させて資産をどんどん増やしていきましょう。節約については、固定費の見直しが最優先です。

医師の資産形成に役立つ情報のまとめ※2019年1月3日に公開した記事ですが、一部の記事を削除(取り消し線を表示)して2019年1月07日に再度公開しました。 主な仕事と...

途絶えることのない複数の収入の流れを作る

ここからは、人生100年時代にフィットした経済的自由・独立を獲得するための方法を考えてみましょう。人生100年時代には、医師の場合24歳から74歳まで働くとしたら、その期間はなんと50年です。これだけの期間の収入を、医師として働くこと1本に依存することは、かなり難しいと考えます。まず、60歳を過ぎても医師として仕事をバリバリつづけられるか?という体力的な問題。そして、もう一つは、日本が現在の社会保障制度を50年ものあいだ持続可能かどうか?という問題です。この50年の間に、自分は年をとり、社会保障制度は大きく変化し、AIの発達などで産業構造は一変するはずです。そのような荒波の中を、医師免許さえあれば大丈夫といえるでしょうか?医師の労働環境も、今後悪化する可能性が高く、ブラックな病院が増えるのは必然のように感じます。

医師の定額使い放題問題について今の医療現場を眺めていると、今後、医師の使い放題問題がどんどん普及していく気がしています。本日は、医師の定額使い放題問題の背景について考...

変化の速度が早くなる時代に対抗するために、医師免許一本槍では心もとないですね。そのような時代に安定した生活を確保するためには、途絶えることのない複数の収入の流れを作ることが重要になります。

経済的自由を手に入れるために必要なこと

途絶えることのない複数の収入の流れを作ること

医師にとって、もっとも重要な「富の源泉」は、人的資本、すなわち働いてお金を稼ぐ力です。60歳を過ぎても、精力的に働くことができれば、経済的自由にかなり近づくことが可能になります。生涯現役で働くことができれば、老後問題を心配する必要はありません。しかし、一般的には年をとるほど、働く時間を少なくしたり、労働力に依存しない方法でお金を得る方法を増やす必要があります。
自分を自動車だと仮定してみましょう。労働力に依存しているのは一つのエンジンに依存している状態です。もし、このエンジンにカスタムメイドの別のエンジンを追加することができれば最強ですね。これが勤め人プラスアルファの状態といえます。

医師として稼ぐ力にプラスして、金融資産運用のスキル、不動産投資のスキル、スモールビジネスを立ち上げて稼ぐスキルといった複数のカスタムエンジン(稼ぐ力)を搭載する。そうすれば、年をとって、医師として稼ぐ力が衰えたとしても、他のエンジンが生み出す馬力で走り続けることが可能になります。これが、途絶えることのない複数の収入の流れを作る極意です。時代が変化したとしても、その都度適切なビジネスモデルを作り出すことができれば不安はかなり解消されるはずです。

スモールビジネスの極意はATMを作ること 働いて稼ぐ5万円 まず最初に、働いて5万円稼ぐことを考えてみましょう。医師の場合だと、アルバイトで当直をして5万円稼ぐというの...

生活コストを抑えることの重要性

医師は、いつもお金が足りないと感じている人が多いと思います。今後医師といえども稼ぎを増やすことは容易ではありません。もし仮に、寝る間を惜しんでアルバイトをしたとしても、所得税率が上昇してしまい、稼ぎの半分近くを税金として没収されてしまいます。

医師のアルバイト依存は禁忌今月は、海外出張があったから、お金が足りない。アルバイトをして穴埋めをしよう。 そういう考え方を、ついついしてしまいますね。特に医...

経済的自由・独立をはたすために、生涯現役で働く、若いうちに人的資本(働いて稼ぐ力)を最大化する、途絶えることのない複数の収入の流れを作ることを紹介しました。これらは、いずれも収入を増やすという選択肢でしたが、実は、医師にとって最も重要なことは、生活コストを抑えることではないでしょうか?
生活コストが低ければ、少ない稼ぎであっても比較的自由な生活をおくることが可能です。医師、成功した芸能人やアスリートをみていて思うことは、若くして高額な所得を得てしまうと、それに応じて生活コストが上昇してしまうことが資産形成がうまくいかない最大の理由だと思います。高額な所得に見合った地位財(マイホーム、外車、ブランド品)を購入して、高額のローンを組んで固定費をどんどん増やしてしまうと、生活コストを下げることができなくなってしまいます。そして、子供が習い事や私立中学、高校に進学し始めると、さらに生活コストが上昇してしまい、まさにクビが回らない状態になってしまいます。
逆に言えば、独身医師あるいは結婚したての医師が、生活コストを下げた生活を継続することができれば、それほどガツガツ働かなくても、経済的自由を手に入れることができると思います。