副業(スモールビジネス)の作り方

労働集約型ビジネスモデルの限界とスモールビジネスの可能性

労働集約型ビジネスモデルの限界

「労働集約型」のビジネスモデルとは、労働量に比例して貰えるお金が増える仕組み

医師の仕事は、労働集約型ビジネスモデルです。美容師さんも同じですね。自分がその場で内視鏡検査をすることで、収益を上げる。美容室で髪を切ることでお金を得る。時間単価が異なるものの、仕組みは全く同じです。勤務医も、フリーランス医師も、開業医も基本的には労働集約型ビジネスモデルに該当すると思います。
このビジネスモデルの限界は、「投入する労働量」に限界があることから理解ができます。
例えば、1週間に5日営業している開業医さんが、6日営業すれば、収益は増えるでしょう。しかし、1週間に7日営業することは一般には難しいし、1日に1000人診察することも難しいでしょう。労働単価を上げることは可能ですが、やはり、自分の時間を労働力として市場に提供してお金を稼ぐというのは、体力の限界を超えて稼ぐことはできません。そして、この労働力、労働量は、若いときは大きいですが、歳を取ると体力の衰えとともに、すり減っていきます。

スモールビジネスをまずは1回転してみる

労働集約型ビジネスモデルは、一つのビジネスモデルであり、他にもお金を稼ぐ方法はたくさんあります。特に、自分独自のスモールビジネスを作ることが、近年容易になりました。
自宅にある本を、メルカリで販売してみる。これも立派なスモールビジネスです。
1冊1200円で購入した本を、500円でメルカリに出店してみたところいつまでたっても売れません。そこで、200円にしてみたら売れました。でも、送料が200円以上してしまい結局赤字になってしまいました。
この体験を勤め人感覚で考えると、「医者が、メルカリに出品して、数百円稼いでどうするの?」とか「結局赤字じゃやる意味ないでしょ」となります。

労働集約型ビジネスモデルの特徴として
医者の場合時間単価が高い(半日働いたら5万円稼げる)
労働時間を投入したら確実にお金がもらえる(失敗しない)

スモールビジネスで重要な経験値とは?

私は、いくつかのスモールビジネスを所有しているので、今回のメルカリのケースで得られる大きなものが理解できます。それは、「ビジネスモデルを1回転した経験値」と「失敗という経験値」です。
ビジネスモデルを1回転するというのは、メルカリにアカウントを作成して、本という商品を選び、それに値段をつけて市場に出し、購入者に郵送して届けてお金を得るというものです。
商品を選び、価格設定して、必要とする人をみつけて、そこに届けるというのがビジネスの基本モデルとなります。メルカリでしていることと、不動産投資でしていることには、いくつも共通点があります。
はじめての出品は、赤字になってしまいました。この赤字の原因は検証して、次回改善することが可能です。失敗の原因は、送料を考えずに商品の価格を決めてしまったことです。スモールビジネスにおいて、この小さな失敗は、後から、ものすごく役に立ちます。むしろ、数百円で、失敗という経験値を安く買えたと考えるべきでしょう。

ビジネスモデルを1回転した経験値は、全く別の場所で役立つ

その後も、時々不用品をメルカリで販売しました。収益はほとんどありませんでしたが、家の中から不用品が無くなるし、購入してもらった人から届くお礼のメッセージが結構うれしかったことも継続を後押ししてくれました。何回か出品、配送を繰り返しているうちに、商品のきれいな写真のとり方や、送料を安く抑えるコツがつかめてきました。
それからしばらくして、友人が引っ越しするというので、手伝いにいくことになりました。引っ越しの際、処分する品物の中に、ほとんど使われていないブランド物のバッグがたくさんあることに気づきました。「え、これ捨てるのですが?(心の声。メルカリに出品したら、すぐ売れるのに。)」と聞くと、「子供ができて、使う機会もないですし、引越し先のマンションが狭いので、保管スペースがないんですよ」と言われました。それらのタダで仕入れたブランド物のバッグをメルカリに出品したところ、あっというまに10万円を超える利益が得られました。転売ビジネス(メルカリ)を経験していた人と、経験していなかった人の違いを理解できますね。このように、一度でもスモールビジネスを回転させておくこと、できれば、小さく何回転もさせて、ビジネスモデルを体得しておくことができれば、日常生活の中に埋もれていたビジネスの種を拾うことが可能になります。
「価値のあるものをタダで手に入れて転売する」、「日常生活の中では価値に気づかれずに捨てられているものがある」という2つの経験値を手に入れました。

スモールビジネスは、人にまかせることで拡大が可能

スモールビジネスが労働集約型モデルと大きくことなる点は、アウトソーシングすることで事業規模を拡大できることです。先程の転売ビジネスであれば、商品の配送もアウトソーシングの一つです。自分で自動車を運転して購入者のもとに届ける仕事を、配送業者にアウトソーシングすることで、自分の時間をかけずにお金を稼ぐことが可能になります。販売する商品の数が増えたなら、それを梱包する仕事もアウトソーシンする方法を考えます。このようにして、自分の労働力を投入することなく、他人の労働力やサービスを購入して、自分のビジネスを上手く回す。自動操縦に近い状態で利益をえることができるようになれば、あとはその規模を拡大することで利益が増えていくのです。これは、自分一人の労働力をお金に変える「労働集約型のビジネスモデル」では、手の届かない領域の仕事になります。

ビジネスの横展開

スモールビジネスのもう一つのメリットが、ビジネスを横展開することができることです。先程の転売ビジネスが軌道に乗ると、「商品を見つける目利き」、「他人の労働力やサービスを購入して自分のビジネスを上手く回すコツ」が体得できます。世の中にあるビジネスの種というのは、ほとんどが商品を見つけて、購入して、それに適切な価格をつけて、その商品を欲しい人を見つけて届けるという共通点があります。販売する商品が、不動産であったり、デジタルコンテンツ(テキストや音声教材)であったり、楽しい場所(イベントビジネス)であったりするだけです。商品の形、価格は様々ですが、ビジネスモデルで必要とされる工程にはかなりの共通点があります。スモールビジネスを1回転させてみる。それを小さく何回転もさせることで、小さな失敗をしつつコツを掴む。そのビジネスモデルを横展開(別の商売を始めるきっかけ)することで、ビジネスの規模が広がっていくのです。

まとめ

勤務医をしながら、スモールビジネスをいくつか保有できるようになると、お金の苦労から少しずつ開放されるようになります。自分の労働力を投入せずに、ビジネスモデルで稼ぐことができるようになると、体力を消耗することなくお金が稼げるようになりますし、稼げるビジネスモデルを考えるのは結構楽しい!

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