マイクロインフルエンサーと呼ばれる人たちの台頭
昔は芸能人といえばテレビに毎日登場する有名人でした。とても一般市民が手の届く存在ではありませんでしたね。
ところが現代においては、日常生活で出会う人達の中にも、Twitterやインスタグラムでたくさんのフォロワーがいる、「マイクロインフルエンサー」と呼ばれる人たちが増えてきました。
Twitterの凄さは、なんと言っても情報拡散にあります。
そのキーワードは、”複雑系(small world)”であり、”ハブ&スポークで人と人がつながる時代”です。
複雑系の世界でおこること
例えば、日本の地方都市(例えば新潟)から、羽田空港というハブを経由することで、フライトを3回つかえば、世界中のほとんどの都市にアクセス可能です。これは、ハブが持つ価値(羽田空港と世界各国の主要都市にある主要空港)を示す好例です。ハブとなる空港から、たくさんの航空路線がでることから、ハブ&スポーク(自転車の車輪)と呼ばれています。
Twitterもハブとなる人達(マイクロインフルエンサー)が関わり合いをもつことで、日本中の人々にアクセスできるような構造をもっています。数千人のフォロワーを持つ人達(ハブ)が、10人集まる場所というのは、世界各国に存在するハブ空港を乗り継ぐことで、世界中の都市にアクセスできるのと同じようなパワーを持っているともいえます。ハブとなる人達が情報を共有し、拡散することで、人々が集まるニッチな領域の隅々まで情報が届くようになるのです。
マイクロインフルエンサーのもつ価値が高まる理由
Twitter、インスタグラムでフォロワーをたくさん持つ人というのは、これからの社会で確実にポジションを高めることになります。企業は、マイクロインフルエンサーとつながりを持ちたいと常に思っているはずです。
昔であれば、日本中の人たちが同じ歌謡曲を聞き、同じドラマをみてその話題で盛り上がることができました。でも、現代では、歌、スポーツ、ファッションなどが、どんどん多様化しています。そのため、人々の関心領域がニッチな領域に移っています。テレビにでている芸能人であっても、「UNIQLOコーデにめちゃくちゃ詳しい人」や「アニソンにめっぽう強い人」といったニッチな領域のマイクロインフルエンサーには、全く勝てません。毎シーズンUNIQLOの服を買っている人にとっては、「テレビは全く見ないけど、UNIQLOコーデにめちゃくちゃ詳しい○○さんのインスタグラムは常にチェックしている」みたいな状況は想像しやすいですね。
マイクロインフルエンサーの価値が価値が高まる理由。それは彼らが、ハブになることができるからです。マイクロインフルエンサー10人に協力してもらえるようになれば、そのニッチな領域に興味関心を持つほとんど全ての人々にリーチできる時代です。しかも、マイクロインフルエンサーたちは、そのニッチな領域の中では、絶大な信頼資産を蓄積 しているので、影響力が非常に大きいのです。商品を売りたい企業がマイクロインフルエンサーたちの存在や発言に高い価値を感じることは、必然なのです。