俺の屍を越えてゆけ(日記)

ダイエットに関する現時点での最適解

医学部卒業後に体重が増加

中学高校はテニス部、大学時代はサッカー部だったので、大学卒業まで「食べ過ぎたら太る」という価値観がない生活をしていました。
ところが、大学卒業後にたまたま水着で撮った写真をみると、「あれ、俺太ってないか?」と感じました。
当時は、学生時代+2kgぐらいの体重でしたが、筋肉が落ちて、脂肪が増えた状態で、体重が2kg増えてしまったので、見た目はかなり太ってしまいました。
そして、その頃から運動習慣がなくなり、背筋が落ちてしまいました。腰痛が持病のようになってしまい、「運動習慣と適度な食事管理」の必要に気づきました。
そこから、今にいたるまで、腰痛の予防のために、1週間に1回プールに通うという習慣は続けています。このおかげで、腰痛からは開放されました。

40代まで少しずつ体重が増える

学生の頃(64kg)から、着実に体重が増えて、体重が70kgになったときに「これは、今の運動習慣、食生活を続けていたら今後も体重が増え続けるな」と自覚して、やり方を変えることにしました。
そこで出会ったのが、テストステロン先生の名著です。

この書籍には、
PFC(タンパク質、脂質、炭水化物)のバランスを適正に保った状態で、1日の摂取カロリーを厳密に制限すること。
筋トレ+プロテインが最強
というメッセージが書かれていました。
「筋トレして筋肉が増えたら基礎代謝が増えて脂肪が減りやすくなる」
というフレーズに惹かれて、筋トレ+プロテインという生活を1年ほど続けてみました。

相撲取りのような体型になる

時々、ジムに行くと小太りなおじさんが、プロテインをぐびぐび飲みながら筋トレマシーンを使っているのを見かけます。
結論からいいますと、厳密なカロリー制限なく、プロテインをぐびぐび飲みながら、筋トレを続けると、相撲取りのような体型になってしまいます。
筋肉と脂肪が同時に増える状態ですね。
スーツがきれなくなり、体重が75kgくらいまで増えてしまいました。
急に相撲取り体型になってしまったので、いろいろな方から、「最近、なんかあったの?(太ったよね)」と言われるようになりました笑
僕の経験からは、中年男性が、筋トレして、プロテイングビグビというのは、あまりオススメできません!
ちなみに、体重が5kg増えると、ほぼ毎日のように「最近太った?」と言われますが、体重が5kg減っても、「最近細くなったね」とは言われないのが不思議。

PFCバランスをキープしたカロリー制限スタート

相撲取りのような小太り、筋肉質な体型から、体重を落とす作業をはじめました。
朝と、夕方のご飯の量を50g(お寿司のシャリくらいのサイズ涙)に制限して、空腹と戦いながらのダイエットスタートです。
飲み会では、基本、揚げ物、炭水化物はとらないようにしていました(ちなみに、飲み会でこれをやるとほとんど食べるものがありません笑)
そうすると、おかげさまで、約半年かけて、67kgくらいまで体重が落ちました。
研修医時代と同じくらいの体重になりました。
ところが、この話はここで終わりません。

あれ、体重がなぜか増え始めた

半年続けた食習慣なので、それをキープすることはそれほど難しくなかったのですが、なぜか、ダイエット開始から、9ヶ月ほどたった時点から、体重(体脂肪率)が増え始めます。
厳密にカロリー制限しているのに、なぜか体重が増え始めるという状態になりました。
ちなみに、この時点では、1日3食をきちんと食べて、16時くらいにどうしても空腹になるので、おにぎり1個(約200kcal)を食べるという生活をしていました。
ジャンクフード(ハンバーガー、ポテト、ポテチ)、炭酸飲料(コカ・コーラ、ダイエットコーク含む)は日常生活で摂取することはなく、おやつも食べない生活です。
そこで、新たな本と出会います。

プチ断食のすすめ

この本には、いろいろな科学的データをもとにして、面白いことが書いてありました。

年をとると体重が増えるように脳がプログラムしている

この本で一番衝撃的だったのが、年をとると体重を増やすように脳がプログラムされている。という記述でした。
いくら努力しても、ほとんどの場合、ダイエットは失敗します。
厳重にカロリーを制限していたとしても、今度は脳が太るために、消費カロリーを制限するようになるため、摂取カロリーを制限していても体重が増え始めるそうです。
これは、先に述べた実体験とも一致します。

精製された炭水化物を取りすぎると太る

精製された炭水化物とは、砂糖、小麦粉などから作られる食品。ジュース、パン、パスタ、うどん、お菓子などなど。
精製されていない炭水化物(お米、玄米)と精製された炭水化物(パン、パスタ)では、同じカロリーを摂取した場合であっても、後者の方が吸収率が高く太りやすくなってしまうそうです。

3食きちんと食事をとらないと太る。というわけではない

僕は、今ままで、3食きちんと食事をとらないと太る。という話を信じていたので、3食きちんと食事をとるのがあたりまえと考えていました。
しかし、この本では、プチ断食を勧めています。
たとえば、飲み会で夜たくさん食べる日であれば、飲み会の前の昼ごはんを抜いて、翌日の朝と、昼を抜くというものです。

人間は、食事から得た炭水化物(糖質)を、グルコースとして利用するとともに、肝臓の内部にグリコーゲンとして蓄積します。
さらに、余ったカロリーを脂肪として体内に蓄積しています。
エネルギー供給の際の優先順位は、グルコース、グリコーゲン、それでも足りない場合は、脂肪という順番になるため、なかなか脂肪を使う機会がありません。
脂肪をなんとか燃焼させるためには、朝と昼を抜いて、エネルギーを摂取しない時間を12時間から24時間つくることが有効だそうです。

でも、そんなことしたら低血糖になるだろう。
というふうに考えますね。
実際に、こんな感じでプチ断食をしてみました。

今日は飲み会がある日
朝食 今までどおりの400kcalほどの朝食
昼 食べない。間食もいっさいなし。お腹が空いたらお茶、コーヒーを飲む。
夜飲み会 普通に食べる
翌朝 食べない
翌日の昼 食べない 間食もいっさいなし。
晩ごはん普通に食べる
こうすると、飲み会の前に12時間の断食、飲み会の翌日に24時間の断食をすることになります。

何回かやってみた感想
想像していたほどは、お腹は減らない。
もちろん、周期的におなかがぐるぐるなって、「お腹へったなあ」と感じるタイミングがきますが、全然耐えられる程度の空腹感です。
むしろ、昼にカツカレーを食べたときに、4時間ほどたったときに訪れる、猛烈な空腹感よりはよほどましです。
カツカレーを食べた後に、大量のインスリンが体内に分泌されて、上昇した血糖が一気に低下するときのようなアップダウンがないので、空腹感の波が小さいという実感でした。
おそらく、グリコーゲン、脂肪が安定したエネルギーを供給してくれているので、体はそれほど飢餓を感じていない印象でした。

24時間のプチ断食の後は、どか食いするのではないか?

飲み会の翌日の夕食まで、カロリーを一切摂取しないと、翌日の夕食でどか食いするのでは?という疑問があると思います。
でも、僕の場合は、「胃袋が収縮しているような感じなので、普段と同じ量を食べるとお腹いっぱいになる」状態でした。
そして、いつもよりご飯が美味しい笑

食事を抜くと、筋肉が痩せる?

太古の時代を考えてみると、獲物がとれた時に、しっかりとエネルギーを補給して、余ったエネルギーを脂肪として体に蓄えておきます。
その時代に、3食きちんと食事がとれるわけもなく、1日何も食べないというのは普通だったと思います。
もし、1日何も食べなかっただけで、脳の処理能力が極端に低下したり、発揮できる筋力が著しく低下するようであれば、太古の時代を人類は生き延びることはできなかったはずです。
(裏を返せば、そのような時代を生き抜いた遺伝子を我々は継承しているはず)
ですから、24時間プチ断食しただけで、筋肉が痩せたり、脳の処理能力が低下することはありません。
プチ断食の状態でも、運動は普通にしても良いと著者は語ります。
(ただし、糖尿病患者と、体脂肪率が5%未満の人は別だそうです)

でも、もしかしたら、普段から、朝昼晩と十分(過剰な?)な食事をとり、空腹になるとジュースやお菓子を摂取して、血糖値を上げる(そうするとインスリンが過剰に分泌されてしまう)生活を続けていた人が、いきなり断食をすると、低血糖のような症状を引き起こしてしまうかもしれません。僕は、もともとカロリー制限をしていて、間食もしないライフスタイルだったから空腹が少なかった可能性はあります。

実は、人類は、エネルギー不足の状態であっても、走って、獲物を捕まえられるように、血糖値を上昇させるホルモンはいくつも持っています。
でも、血糖値を下げるホルモンは、インスリンしか持ち合わせていません。
つまり、僕らの体は、エネルギー不足の状態で、安定した活動をするのに向いている反面、エネルギー過多の状態には適応してない(そのため、肥満や糖尿病という現代病が生まれている)とも言えます。

結論

プチ断食を何回かやってみた印象が結構良かったので、当面は
・1週間に1回のプールと筋トレは持続する(筋トレをしないと体のメリハリがなくなり、腰痛などがでやすくなるため)
・PFCバランスを意識した食生活は継続
・精製された炭水化物は日常生活の中にはできるだけ入れない(ただし、飲み会などの場では普通に食べて良い)
・今までは、飲み会の前後も1日3食をきっちり食べていたけれども、飲み会の前後は、プチ断食をしてみる

医師のように、定期的に飲み会がある人にとっては、案外相性のよいダイエット方法かもしれません。
気になる方は書籍を読んでみてください。