・勤務医、開業医ともに収入が減る コロナ禍以降、赤字の病院が増加しています。保険診療においては、物価上昇や人件費高騰に連動して診療報酬を引き上げることができないため、ある意味必然的な状況といえます。
・医師の給料はインフレ耐性が低い デフレ時代の医師は勝ち組でした。多くの企業が業績不振と給与削減を強いられていた時代に、医師は給与水準を維持することができました。デフレ時代は「Cash is King」で、あらゆるものが安価で購入できたため、医師は安泰でした。しかし、開業医・勤務医ともに収入は国の社会保障費を源泉としているため、財源が枯渇すれば収入上昇は困難になります。
上記2点を考慮すると、勤務医1馬力で家族4〜5人を養うのはかなり厳しい時代に突入する予感がします。
勤務医と法人、2つの属性で稼ぐ とはいえ、いきなり法人を設立して稼ごうと言われても、「何をやってよいかわからない」となる方が多いと思います。
現時点で勤務医としての収入(勤務先・アルバイト先からの給与)が100%という状況にある方は、まずは上記以外の方法で1%または1万円/月でも構わないので、お金を稼ぐ体験をすることをおすすめします。
種銭がない状態であれば、メルカリで家の不用品を売る、noteに自分が5年以上続けている趣味に関する記事を投稿・販売するといった方法から始めてみてください。これらは初期投資なしで挑戦できます。
どのような方法でも構いませんので、まずは1%または1万円/月を目指してみましょう。この目標を達成できれば、手段を増やすことで金額を拡大することが可能になるかもしれません。
もちろん、種銭がある方は初期投資が可能になるため、スモールビジネスに挑戦するのも良いでしょう。初期投資とは、いきなり種銭で不動産を購入することではなく、手元にある50万円を使って書籍を購入する、有料セミナーに参加する、不動産大家の会に参加する、YouTube撮影機材を購入するなども含みます。病院業務以外の領域で、自分の知識・スキル・経験を伸ばすための投資を行います。
勤務医をしていると「○時間働いたら○円」という発想になりがちです。しかし、ビジネスの基本は「初期投資→後から回収」です。初期投資とは赤字を掘る作業であるため、最初は持ち出しになります。これは勤務医の考え方を根本から変える必要があるため、最初は失敗しながら挑戦するしかありません。失敗を前提とするなら、初期投資も50万円程度の上限を設けることも有効かもしれません。
とはいえ、まだ当分の間は医師の収入は安泰だと思います。その期間中に少しずつ給与所得以外の収入を増やし、収入がある程度増加してきたら法人化するという流れに乗りたいところです。