医学生のうちに

医師が使うパソコンは、WindowsかMacか?

結論から申し上げると、医師になってから使うパソコンは、WindowsでもMacでもどちらでも大丈夫です。その理由について説明していきたいと思います。

医療関係者は、意外にMacユーザーが多い?

昔から、医療関係者はMacユーザーが多いというのが定説でした。私の周囲を見渡したところでは、MacユーザーとWindowsユーザーが半々くらいの印象です。結論から言えば、医師としてパソコンを購入する場合、WindowsでもMacでもどちらでも大丈夫です。好きな方を購入すれば良いと思います。ちょうど、スマートフォンが、iPhoneであっても、アンドロイドであっても、どちらも困らないのと同じような感覚だと思います。私自身の経験で申し上げると、10年近くMacユーザーですが、学会発表したり、論文を作成する上で、特に困ったなと感じることはありませんでした。主要な統計ソフトなども、今は基本的にはWindowsバージョンとMacバージョンが販売されていることが多いと思います。

Macのパソコンは使いやすいが高い!

一般に言われることとして、Macパソコンは初心者が直感的に使いやすいとされています。実際そのとおりだと思いますが、価格が高いことがネックになりそうですね。Windowsパソコンだと、各社から様々なスペック、価格帯の商品が販売されていますし、ある程度自分でカスタマイズすることも可能です。しかし、Macパソコンは、当然ですが、Apple以外の会社からは販売されておらず、価格は高いです。途中でメモリを増設したり、カスタマイズすることもほとんどできず、Appleの提示する価格で購入するしか方法がありません。でも、MacはOSが無料で提供されていますし、Keynoteや音楽編集ソフト、画像編集ソフトといったMacに標準装備されているソフトが無料で利用できます。しかも、iPhone、Macパソコンともに、OSだけでなく、アプリケーションも常に最新バージョンが無料で使えるというのは大きなメリットであるといえます。iPhoneとの連携も素晴らしいので、Macパソコンが高いのは、それらの周辺ソフトやOSの値段も含まれていると考えた方が良いかもしれません(それにしても高いですが)。
使うパソコンに特にこだわりが無いのであれば、Windows PCを選び、どうしてもMacが良いという人は、MACのパソコンを購入するのが良いかもしれませんね。

病院の電子カルテはWindows PC

1日の仕事の中で、一番使う頻度が高いと予想される電子カルテは、Windowsが主流です。今まで勤務医してきた全ての病院で、OSはWindowsでした。医学部の間に、一度もWindows PCに触れたことのない医学生さんは、電子カルテの操作に少し苦労するかもしれませんね。といっても、私はWindows PCを所有していませんが、電子カルテの操作に苦労することはほとんどないので、あまり気にする必要はなさそうです。

WordやPowerpointなどのファイルのMacとWindowsの互換性は良好

以前は、Mac PCで作成したPowerpointなどのOfficeのデータをWindowsユーザーに渡すと、文字化けしたりすることがありましたが、最近はそのような不具合はほとんど問題にならなくなった印象です。それよりは、むしろ古いバージョンのOfficeを使っていることの方が、文字化けは、レイアウトのズレに与える影響は大きい印象があります。
Officeも、最近では、Office365のようなサブスクリプションモデル(定額制)が主流になりつつあるようです。これは、WindowsもMacも利用できて、常に最新のバージョンが使えるので、利用価値が高いサービスだと思います。
Macのプレゼンテーションソフトである、Keynoteについては、自分のPC持参で学会発表する場合は、問題ありませんが、一般的な学会においては、Powerpointを使うほうが主流といえます。

ノートパソコンが主流

10年以上前であれば、ノートパソコンのスペックは画像や動画編集をする際に、物足りなさを感じることがあり、ハイスペックのパソコンを必要とする人は、デスクトップを購入する人が多かった印象です。でも、現時点では、ノートパソコンが圧倒的に主流になっています。その理由は、ノートパソコンのスペックが向上したことと、価格が落ち着いてきたこと、そして持ち運びができることでしょう。アカデミックポジションで、学会発表や論文作成をしている人たちの共通点として、飛行機や新幹線などの移動時間にも作業をしている人が多いことが上げられます。移動中に作業するためにはノートパソコンは必須です。また、招待講演で呼ばれた場合は、自分のパソコンをプロジェクターに接続して、講演を行うことがほとんどなので、その際もノートパソコンが必要になります。今は、医者にとってノートパソコン1台は必須で、自宅あるいは医局で作業するためにデスクトップを購入する人がいるという感じだと思います。私自身は、過去5年ほどは、Macのノートパソコンしか使っておらず、デスクトップは使っておりません。ノートパソコンは、職場に1台、自宅に1台置いてあります。

まとめ

iPhoneと同じで、Macパソコンは、高額で、カスタマイズがしにくい点がデメリットですが、見た目がおしゃれで、直感的に使いやすいことがメリットといえるでしょう。最終的には、Mac PCを購入しても、Windows PCを購入しても、困ることはありませんから、好きは方を買うのが良いと思います。