医師の残業代・無給医問題

労働者は自分の時間(命)と引き換えにしてお金を得ている

勤め人(サラリーマン)は自分の時間(命)とお金を交換

毎日仕事にいって、働いて帰宅する。月末に労働時間に相当する給料を得る。毎日、毎月、毎年繰り返しているので、普段あまり意識しなくなりますが、これは、労働力(すなわち、自分の時間、命の一部)を資本家に差し出して、その対価として給料(お金)を得ているのです。人生は、自分が好きな趣味、好きな人たちと楽しむ時間、リラックスして心を落ち着ける時間、スポーツをして体を鍛える時間、睡眠で心身の疲労を回復させる時間などから構成されています。もちろん、しっかりと働いてお金を得ることで生活が豊かになりますし、それなしで生きていくことは資本主義の世界の中では難しい面もあるでしょう。
ですが、無給医、残業代未払いの問題などをみていると、ちょっと(というかかなり)気の毒な感じがします。自分の労働時間(繰り返しますが、自分の時間は、命の一部分です)を差し出したのに、なんの報酬も得ることができない。自分の勉強になるからいいだろというのは、やりがい搾取とも言われています。これは、労働者(医師)に対して経営者がしてよいことではありません(法律的にも)。労働者は学生ではありません。

サラリーマンであっても自分の時間は自分で管理する

自分の体という資本を管理できるのは、自分しかいません。働きすぎると、体調を崩します。無給で雇われているというのは、中小企業のオーナーだとしたら、タダで製品を納入しているのと同じことになります。もちろん、それをする、しないはオーナーの自由です。でも、自分の体という資本をマネジメントするという発想は常に持っておくべきだと思います。自分の人的資本(働いてお金を得る力)を最大化すること、生産性を高めることは、自分がマネジメントしなければならないことです。そのために、不当な条件で雇用されているのであれば、そのことの本質をしっかりと考えないといけません。

スモールビジネスから得られる収入

自営業者の社長さんは、ベンツを乗っていたり、子供の送り迎えをしていたりします。お金と時間を両方持っているのはたいていは、成功した自営業者です。労働者の場合、お金を稼ぐためには自分の労働時間を投入する必要があるので、お金持ちはたいてい時間がありません。でも、自営業者は、自分のビジネスモデルから収入を得るため、自分で働く必要がありません(ただし、その仕組みを作るために、時間もしくはお金を投入する必要があり、ビジネスが倒れるリスクを背負います)。自分の労働時間を投入することなくお金が手に入るため、お金に自由になり、時間にも自由になるのです。さらに、出費に関しても、税金を徴収されるよりも上流でコントロールできるので、お金を効率よく使うことが可能です。このパワーを勤め人にも追加することができたら、面白いと常々思っています。