医師の働き方

勤務医を続ける上で考えるべきことpart 2

24時間365日オンコール

医師にとって、
○○先生にしか、この疾患は治せない
というのは、一種のステータスなのだと思う
そして、そのスペシャルな技能が、人の生死に関わる

そこに到達するのに最低でも10年以上かかる
その専門性を有している人がその業界で非常にレア
そのスキルが人の命を救う

僕は、若い頃からそのような場所を目指してキャリア形成をおこなってきた
その根底には、
・そういう仕事は、だれにでもできる仕事と比べて報酬が良いはず
・人事異動の交渉に有利になるはず(自分で働く場所を選べる)
と考えていた。でも、これは、現実世界では叶わない夢。

というのも、医師は、日本の保険制度の中で働いている。
手術には保険点数が決められており、自分で価格を上げることができない。
スペシャルな技能を発揮するためには、必然的に総合病院に属している必要もある。

日本の国民皆保険制度の仕組みの中で働くということを、わかりやすく一言でいえば
・勤務医(開業医も)というのは、消防士、警察官たちと同じで、社会インフラの一部である
という事実。
医療というインフラを維持するために、収入(多くは税収)と支出のバランスを国が保ちながら
運営を続けている仕組みの中で働いている。

スペシャルな技能が、報酬アップや、労働条件改善の交渉カードにならないのは、
同僚より100倍犯罪者を捕まえる警察官の報酬が、同僚と同じことを考えれば理解しやすいだろう。

ここから先は
スペシャルな技能を持つブラックジャックのような医師
は、100倍犯罪者を捕まえる警察官
と思いながら、文章を読んで欲しい

医師の数が100人、200人という大規模の総合病院にあって、
100倍犯罪者を捕まえる警察官
は、めちゃくちゃ役に立つ

でも、人数が少ない(レアな人材なのだ)

そこからくる結末は、
24時間、365日オンコール対応医師
の完成となる。

総合病院に、心カテ(心臓のカテーテル検査、処置)のできる医師が1人しかいないとしたら。
昼夜、休日を問わず、患者さんが救急搬送されたら、その医師は自宅から呼ばれることになる。

この、
24時間365日オンコール
というのは、当然だが、働き手にとっては、非常にキツイ
自分の技術が向上している過程においては自分にとってもメリットがあるのだけれども。

この流れの行き着く先というのは、まだ不透明だけれども、理想をいえば
専門医師はセンターに集めて、そのセンターの中で分業制(チーム制)を組む
のが合理的。
でも、仮にこのようになって、スペシャルな技能を持つ医師の働き方が改善したとしても。。。
そのセンターの中では、その技能はある意味コモディティ化することが避けられない。
だって、チームを組むためには、自分と同じ技術を持った医師が複数必要になるわけだから。

国民皆保険制度という社会インフラの中で、
オンリーワン。スペシャルな医師。
という立ち位置を目指すのは、良い出口がないのかもしれないね。

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