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知識の持つ価値が相対的に減る
尿路感染症で、どの抗菌薬を選んだらよいか?悩むことがあります。いわゆるcommon diseaseの対応について、知識の量としては、感染症内科医、内科医、研修医という序列になります。
しかし、「あの先生、ちょっと質問しにくい雰囲気だよね」という先生も多いものです。そうなると、その辺にいる研修医に聞いてみようとなります。そして最近では、ChatGPTに聞いてみようとなります。
つまり、知識自体の価値が減っているのです。
知識を生業にしている医師にとって、このようにコミュニケーションを取ってくる人(求められる仕事)が少しずつ減っていく時代が来るのかもしれません。むしろ、知識を求められているというより、「診察して、指示まで出しておきますよ」というフットワークの軽さや、対人スキルの高さの方が今後価値が高まる気がします。
スモールビジネスでも同様の変化が
医療の世界を離れて、スモールビジネスを考えたときも同じです。以前は、いろいろな知識を持っている人、頭の回転が早い人に価値がありました。しかし、今後生成AIを使うことが前提になってくると、知識の差がなくなります。
そうなったときに、誰と仕事をするか?と考えたら、結局「いい人戦略」が最適になる気がします。一緒にいて、ストレスのない人。雑談をしていると、めちゃくちゃ盛り上がる人。なんか放っておけない人。キャラクターや性格が良い人のところに仕事が集まってくる気がします。
答えのない課題への向き合い方
さらに、「答えのない課題に対する向き合い方、哲学」にオリジナリティがある人も重要です。いわゆる正解がある問いについては、ChatGPTに聞けばよいです。しかし、世の中には答えのない問いもあります。
正解がある問いについては、すぐに答えが見つかるので、逆に言えば、人の脳内には「答えのない問い」が蓄積していくのかもしれません。そんなときに、独自の生き方、ポリシーを持って、とんがっている良い人(信頼できる人)というのは非常に貴重になりそうです。
まとめ
良い人。一緒にいたいと思える人。ユニークな考え方、ポリシーを持っている人。信頼できる人。そのあたりのポジションを目指せば、わりと仕事に困ることはない気がします。