マイホーム

医師が地方都市でマイホームを購入するのは禁忌

独身の医師がマイホームを購入したという話を聞いたことがありません。つまり、マイホーム購入というのは、家族が過ごす場所としての価値が、非常に高いのだと思います。精神的な居場所とも言えるかもしれませんね。地方都市で医師がマイホームを購入するシチュエーションを考えてみましょう。

地方都市で医師がマイホームを購入するシチュエーション

子供が大きくなる過程でマンションが手狭になって一戸建てに住みたくなる

だいたいの傾向でいえば、子供が生まれてから数年以内にマイホームを購入される先生が多いのではないでしょうか?今後人口が減り続ける日本において、地方都市で購入したマイホームの資産価値が右肩上がりになることを期待している人は少ないと思います。資産価値の向上を目的としていないのであれば、マイホーム購入の最大の目的は、「家族がいつまでも、一つ屋根の下で仲良く生活する」という夢をかなえるために購入されている先生が多いのかもしれません。
しかし、地方都市の中心部の主要な病院で働く医師は、医局人事で決定されることが多く、中心部で働くためには、医局人事に従う以外の方法がありません。そうなるとマイホームを購入した場所で働くためには、医局の支配下で働かなくてはなりません。
ところが、ここに大きなジレンマが発生します。地方都市の中心部で働きたいのは、医局員全員の希望ですから、その夢が叶う人はごく一部です。それ以外の人は、地方都市のさらに田舎で働くことになります(下手をすると県外)。そうなると、家族と住むためにマイホームを購入したがために、自分の勤務先を医局人事に委ねることになり、遠方の土地への転勤を命じられると、単身赴任以外の選択肢がなくなります。マイホームを売却するという選択肢もありますが、新築マイホームは、購入した直後に資産価値が大きく毀損していますから、おそらく大きな損失を被ることになるでしょう。
マイホームに家族といっしょの生活するためには、医局人事からはずれないといけない。でも、主要な病院は医局人事で動いていますから、勤務医として働く場所がありません。そうなると開業しか方法がなくなってしまいます。マイホーム購入には、このようにして、家族と別れて生活するリスクや、キャリアを自由に選択できなくなるデメリットが存在することは知っておくべきでしょう。

これが、賃貸であれば、転勤を命じられた土地に、家族ごと引っ越しをすれば、いっしょに生活することが可能です。数は少ないですが、賃貸の一戸建てを借りて生活することもできます。

家族で一つ屋根の下に住み続けることが自分の夢であるならば、逆説的ですが、地方都市ではマイホームを購入してはいけないという結論に達するのです。

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