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住居は所有する時代から利用する時代へ

博士
博士
今日は、利用価値の視点から住居について考察してみよう。

所有から利用へ

一昔前であれば、「利用するためには所有しなければならない」が常識でした。

パソコンを買ったら、Officeのソフトを購入してインストールする(ソフトの購入と所有)
でも、今は、
Office 365を契約して1年だけ最新のバージョンを利用する(ソフトの購入と利用)
ことが可能になりました。このOffice 365のようなサービスは、サブスクリプションモデルとも呼ばれており、Microsoft以外にも、Adobeなどが採用しており、今後の主流になりそうです。

その他にも
葬式用の喪服を購入して所有する
に対して
葬式に出席する必要がでたら喪服をレンタルする(利用できれば所有する必要はない)

物は所有する時代から、必要に応じて利用する時代に変わっているというのは、近年の大きなトレンドといえます。

住居は所有する時代から利用する時代へ

人生のライフスタイルに応じて、住居に求められる価値も変化します。
例えば、20代の大学生であれば、大学へのアクセス、夜遊びした後に公共の乗り物で帰宅できるアクセスなどが優先されるでしょう。
20代の若者にとって、病院の近くに住居があることに価値はありません。

ですが、70歳の人にとっては、三次救急の病院に10分以内にアクセスできる立地というのは、かなり大きな価値を持ちます。
(脳梗塞などは血栓回収が主流になりつつあり、その場合病院へのアクセスの良さが救命につながります)

空き家の増加したかつての高級住宅地に価値はあるのか?

先日、関西にお住まいのドクターと飲みに行く機会がありました。そこで、誰もが知る、関西のとある高級住宅地の価値が下がっているお話を聞きました。
昔から住む人たちの間では高い価値があると信じられている(信じたい)ようです。でも、高齢者にとって重要な病院へのアクセスには大きな難があるようです。近隣に三次救急の病院がなく、自治体も「三次救急病院を維持することはできないから、救急車で遠方まで搬送すればよい」という考え方が主流になっているみたいです。

本来、高齢者になったら、三次救急の病院の近くに引っ越そうというのが合理的な選択になるのですが、住居を所有してしまうとそのような選択ができなくなってしまいます。

住居に関しても、所有する時代から利用する時代へ。
月々の家賃は、office365を利用するのと同じで、サブスクリプションモデルと考えると雰囲気が理解しやすいかも。