株式投資

医師が知っておくべき投資の原則。それは分散投資の重要性。

リスクを分散することの重要性

分散投資の基本:卵は一つの籠に盛るな

投資をする上で、リスクを分散するというのがキーワードになります。投資の世界では、卵は一つの籠に盛るなと言われています。たくさんの資産があったとしても、その籠を落としてしまうと、卵が全て割れてしまいます。最近の出来事であれば、ビットコインなどの仮想通貨ブームを考えてみるとわかりますね。仮想通貨が上げ相場の時に、日本円を仮想通貨に一点投資した人たちは、仮想通貨バブルの崩壊とともに全てを失ってしまいました。人間の心情としては、儲かりそうなものに一点集中してしまいたくなる気持ちもわかります。しかし、リスクの分散は勝つためではなく、負けないために重要なことだと思います。大勝はできなけれど、市場平均に近い勝ちを得るとも言えます。

時間の分散

長期積立投資、ドルコスト平均法といった投資手法は、時間を分散することを目的としています。資本主義経済が、世界の人々の経済活動により、数十年後には今以上の価値を得ているはずだというロジックに投資をするのであれば、長期積立投資、ドルコスト平均法は非常に相性のよい手段となるでしょう。
永久保存版:医師が理解しておくべき株式投資、インデックス投資の基礎知識

投資対象の分散

インデックス投資とは、日経平均やTOPIX、S&P500、ダウ平均のような株価指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資方法のことです。日経平均株価は、日本企業を代表する大型225社の平均株価であり、S&P500には、米国企業を代表する大型500社が含まれています。投資商品には、投資信託、ETFなどがあります。インデックス投資の基本理論は、投資対象の分散です。トヨタやマイクロソフトといった個別株を1点買いする場合は、籠の中に卵がひとつの状態です。しかし、S&P500のインデックスに投資するのであれば、大型500社に分散投資していることになります。卵を盛る籠が500に増えるので、そのうちの数社が破綻したとしても、大勢に影響はありません。

さらに、S&P500のインデックスに投資するというのは、投資対象先となる国も分散させることが可能です。日本に住む医師であれば、受け取る給料は日本という国が今後発展するか衰退するかに大きく依存します。しかし、もらった給料の投資対象を米国に振り分けることで、日本と米国にリスクを分散することが可能になります。

複数の収入源を得ることもリスクの分散につながる

投資とは異なり、人的資本(働いてお金を得るための力)については、一点集中投資が原則とされています。市場に価値を生み出す仕事に対して、没頭することには経済合理性が高いと思います。しかし、リスクの分散という観点でいえば、お金を得るための手段を、自分の労働力に一点投資するのではなく、分散してみるのも良いかもしれません。金融リテラシーをみにつけて、インデックス投資を行ってみる、収益不動産を購入してみる、自分の医師としての得意な領域を少しスライドさせて、スモールビジネスに挑戦してみる。そのように、途絶えることのない、安定した複数の収入源を確保するというのも、分散投資のメリットと言えるかもしれません。