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勤務医として1つの病院で365日働くことの限界
自分の時間を労働力として切り売りする生活から抜け出せなくなる(ラットレース)
医師として365日働いて、安定した給料を受け取る。一見、安定した生活に思えます。その生活が一生続けられるのであれば困らないわけですが、65歳で定年退職したあとは、収入を得るための手段を失ってしまうことになります。
医師の出口戦略。今後医師は、ビジネスモデルを所有する人としない人に、明確に二分される。
さらに、今後は医師過剰時代に突入します。日本の社会保障制度が行き詰まると病院の収益が減少し、医師の人件費が削られます。そうなると、医師にとってブラックな働き方を強要される病院が増えてくるかもしれません。そもそも、体力に不安のない30代の働き方を、そのまま60代まで続けることには、土台無理があります。将来に向けて対策を考えておかねばなりません。
医師過剰時代に備えよ
医師にとってもブラックな職場をなくすことはできない
医師の働き方のゴールは、複数のビジネスを所有して、安定した収入の流れを作ること。経済的な自由を手に入れること。ビジネスのオーナーとなり、医師としての働き方を副業にしてしまおう。
働いて、労働力を提供する対価として収入を得るというのは、収入を得るための手段の一つにすぎません。学校教育で教わらなかったため、自分のビジネスを所有するという発想が、最初から頭にない人がほとんどだと思います。しかし、今後は医師も複数のビジネスを所有することを人生のゴールとすべき時代と考えます。自分の持つビジネスモデルから、安定した収入を得ることで、医師として働く(労働力をお金にかえる)というモデルから脱却することが、経済的な自由を手に入れるためには必要です。65歳になったら、医師として働く時間は、1週間に1回くらいに抑えて、あとは、自分の所有する複数のスモールビジネスから安定した収入を得ることがゴールです。
人生120年時代に向けて。医師も副業(スモールビジネス)所有を真剣に考えよう。
医師として働く時間を減らし、ビジネスを育てるための環境を作る。医師という働き方を副業にするという発想。
医師として、病院に勤務していると、自分の持つリソースが、全て病院の労働にあてられてしまいます。仕事が終わったらクタクタでビジネスを考えるどころではない。というのが実情だと思います。新しいビジネスを立ち上げるためには、その知識を学ぶための時間、実践に移す時間が必要です。ビジネスが軌道にのるまでは、自分の時間とお金(種銭)を自分のビジネスのために注入する必要があります。
医師を辞める決断をする日がいずれやってくる
病院で勤務している限り、自分の時間はほとんど自由になりませんが、安定した給料をもらうことができます。それゆえに、そこから脱出する(ビジネスを所有する)ための準備をするのが難しくなってしまうのです。しかし、労働力に依存する生活スタイルに依存し続けるかぎり、ラットレースから抜け出すことはできません。65歳以降も、ケージの中で走り続けることになります。
安定した収入を得ながら、時間を手に入れる方法
幸い、医師は今のところは、生活するのに十分な収入を得られているため、売り手市場にあります。そこで、一つのアイディアとして、繁盛している開業医さんのもとに出向いて、そこで外来をさせてもらうという発想はどうでしょうか?例えば、繁盛している内科クリニックにお願いして、そこで自分の専門の外来(例えば整形外科)をさせてもらうのです。内科クリニックにある設備で収益を上げる工夫は必要ですが、もともと受付、電子カルテ、レントゲン、超音波などの設備があれば、新たに医療機器を購入する必要がありません。クリニックの院長も、新しい専門家がきて外来をしてくれるのであれば、集客にプラスになります。余っている診察室を提供するだけですから、収入は増えますが、持ち出しはほとんどありません。自分の専門性を持ち運ぶという発想を、モバイルクリニックと名付けてみました。
この発想は、応用幅が広く、例えば、1週間に1回ずつ、Aクリニック、Bクリニック、Cクリニックに行くとします。週3日働くことで、最小限の生活費を得ることができます。そして、残りの4日で収益不動産を購入したり、ブログを書いたりすることも可能になります。
他にも、土日にもクリニックを運営して、収益化をはかりたいというニーズをもつ開業医さんと連携すれば、土日のみのモバイルクリニック外来をさせてもらうという発想はどうでしょうか。週末に外来をすることのインセンティブとして、時給を平日の1.5倍に上げてもらい、月曜日から金曜日までをフリーにするという方法も成立するかもしれません。
モバイルクリニックの良い点は、自分が週5働くことも可能ですし、週1日働くことも可能になる点です。スモールビジネスからの収益が安定してきたら、週5の仕事を、週3に減らすといった柔軟な働き方が可能になります。
もちろん、そのような働き方が、これから20年可能か?と言われるとそれは、わかりません。しかし、それは、勤務医を死ぬまで続けるのか?という質問に対する回答と同じです。自分が新しいビジネスに挑戦したい。でも、その間も安定した収入を確保したい。というニーズに、モバイルクリニックは、ピッタリな働き方となるかもしれませんね。