医師の新しい働き方

Steve Jobsの名言から考える医師のキャリアについて

博士
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医師のキャリア形成について考えてみよう



Steve Jobsのconnecting dotsという概念

医師のキャリアを考える時に一番参考になるプレゼンテーション。それは、Steve Jobsがスタンフォード大学卒業式辞として講演を行った際の動画です。

その中で、Jobsは次のようなメッセージを発しています。

先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。何かを信じ続けることだ。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。この手法が私を裏切ったことは一度もなく、そして私の人生に大きな違いをもたらした。

医師のキャリアを線で考えてはいけない

Steve Jobsのメッセージ動画にあるとおり、医師のキャリアについて線で考えてはいけません
一般的に想定される、キャリアから想定されるイメージは、”直線”、”連続”、”原因と結果(成果主義)”だと思います。
イラストにしてみましょう。

今では、アカデミックポジションで活躍することを夢見る若手医師は少数派かもしれませんが、私が若かりし頃に描いたビジョンを模式図にしてみました。

優れた医者になるためには、一流の研修施設で手術などの手技を学び、その後は成果に結びつくアウトプットを重ねる。そうすれば、一流のポジションが得られる。
これらは、キャリアが連続した直線で形成され、結果を出せばそれに見合ったポジションを得られるという考えに基づいています。

でも。。。この通りにはなりません笑
Steve Jobsが大学を中退し、創業者であるにも関わらずAppleを追い出されてしまったキャリアを考えてみると理解できますね。
現在のAppleを築き上げた、類まれなる天才であっても、人生は思った通りにはすすまないのですから。


先を見通して点と点をつなぐことはできない

先程の模式図で言えば、”専門医”、”出世コース”といったポジションが、点(dots)です。先を見通して、点と点をつなぐことはできません。
Jobsは、自分が歩んできた点と点が後からつながる(connecting dots)といいます。
私が今思うキャリアのイメージを模式図に示してみましょう。

まず若い頃にすべきは、自分の好奇心に従って、いろいろなことにチャレンジしてみることです。
これをやったらうまくいくはず!
これ面白そうだな!
という興味や関心に従って、失敗を恐れずにとりあえずやってみることです。世間では多動力と呼ばれているやつです。
いろいろやっているうちに、「これはやってみたけど全然だめだったな」とか「時間を忘れて没頭してしまうな」といった感じで、点が偏るエリアが見つかります。

これは、やってみた結果なので、事前に予想することはできません。
そして、運に左右されることも多々あります。川辺を流れる葉っぱのようなイメージかもしれません。
点が偏るエリアの先に、自分のキャリアにとってマイルストーンとなるようなポジションを得るでしょう。
そこから先も、点を打ち続けて、その点が偏る方向へと人生は導かれてゆきます。

自分が歩んできた人生を振り返ってみたら、点と点がつながって1本の線になっていた。
これが、connecting dotsの意味です。

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